飲食店の倒産「過去最多」が確定 居酒屋で急増、年末年始も需要縮小の恐れ:「Go To Eat」効果もあったが……
帝国データバンクの調査によると、2020年1〜11月の飲食店の倒産件数は736件となり、通年でも過去最多となることが確定した。再び短縮営業などが求められる年末にかけてさらに増加する恐れがある。初の800件に到達する可能性もあるという。
帝国データバンクの調査によると、2020年1〜11月の飲食店の倒産件数は736件となり、通年でも過去最多となることが確定した。
同社が12月3日に発表した。これまで通年で最多だったのは19年の732件。11月末時点ですでにそれを超え、再び短縮営業などが求められる年末にかけてさらに増加する恐れがある。初の800件に到達する可能性もあるという。
内訳をみると、全11業態中6業態ですでに前年の年間倒産件数を上回っている。最も件数が多いのが「居酒屋」で179件。前年の161件を大きく上回り、過去最多となっている。また、「日本料理店」も75件発生しており、過去最多を更新。「西洋料理店」は94件で、過去2番目の高水準となっている。また、「すし店」も34件で前年を大きく上回っている。
外食市場全体では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された4〜5月を底として、厳しさが続きながらも回復傾向となっている。需要喚起策の「Go To Eat」キャンペーンが実施されたことで、「キャンペーンの効果もあり、売り上げは戻ってきた」という声もあるという。しかし、全体の水準を上回っているのは、ファストフード業態やファミレス業態の中華・焼肉のみで、宴会などの需要が多い居酒屋やレストランでは回復が遅れている。
さらに、感染者数が再び急増していることから、飲食業者からも「11月の感染増加で再び客足が落ち込み始めた」などといった声が聞かれるという。自治体によっては営業時間短縮要請も出ていることから、本来は繁忙期であるはずの年末年始の需要も縮小する可能性が高い。
帝国データバンクは「経営体力や内部留保などに乏しい中小・零細事業者ではすでに限界を迎えているとみられ、先行き悲観から事業継続を諦めるケースが今後さらに増加することが懸念される」と分析している。
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