オフィス家具の定額レンタル、アスクルや無印が続々参入 在宅勤務での利用を見込む:「近づけない、集めない」時代を生き抜く、企業の知恵(3/3 ページ)
コロナ禍で在宅勤務が増えた。在宅勤務の期間だけ利用するオフィス家具の需要が高まっている。アスクルや無印が自宅での利用を見込んだ新サービスに参入している。
無印良品が家具のサブスクに参入
無印良品は1月15日、ベッド、デスク、チェア、収納用品といった家具の月額定額サービスを本格的に開始した。利用期間は1年単位の契約で、1年、2年、3年、4年のプランを用意している。
「折りたたみテーブル」(販売価格は税込1万9900円)、「木製デスク」(2万4900円)、「ラウンドチェア」(1万4900円)、「ワーキングチェア」(1万9900円)などを、月額300〜500円で提供する(4年契約時の場合)。初回のみ配送料が別途必要になる。
無印良品は20年7月から3カ月間、一部店舗で試験的に家具の月額定額サービスを実施していた。個別の家具を提供するのではなく、6種類のセットを用意していた。例えば、「折りたたみテーブル・オーク材」と「ワーキングチェア・背座ワイドタイプ」がセットになった「学ぶ/働くセット」などがあった。利用者からは好評だったが、「セットではなく単品でのサービスがほしい」という声が強かったため、1月から提供するサービスに反映した。
無印良品を展開する良品計画の幹部によると、主に4月から新生活を始める大学生や社会人の利用を見込んでいるという。大学に4年間通学し、卒業のタイミングで利用した家具を返却してもらうイメージだ。また、社会人の場合は、在宅勤務をする時期だけ利用してもらい、コロナ禍が終息したら返却してもらうことを想定する。
家電や家具をレンタルするサービスはこれまでもあった。しかし、在宅勤務をするビジネスパーソンや、自宅で授業を受ける大学生がコロナ禍の影響で急激に増えた。無印良品は、ここに新たな商機を見いだしている。
コロナが完全に終息しても、在宅勤務を継続すると宣言している企業も多い。働き方に合わせてオフィスチェアやデスクなどを期間限定で利用するニーズは根強く残っていくかもしれない。
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