“スペルミス”を強調してビール発売 サッポロとファミマの騒動とは何だったのか:発売中止の予定だった(1/3 ページ)
サッポロビールは全国のファミリーマートで「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」を発売した。スペルミスが発覚したため、当初は発売中止を決定していた。一連の騒動を振り返る。
サッポロビールは2月2日、全国のファミリーマートで「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」を発売した。同商品はパッケージにスペルミスがあったことが発覚し、一度は発売中止が決まっていた。
しかし、ファミマの広報担当者によると、発売中止を決めた後「本商品の取り扱いを心配される声」「発売を切望する声」「発売中止の見直しを求める声」が多数寄せられたという。中身の品質や成分には問題がないこともあり、「捨てるなんてもったいない」という声が強くなっていった。そこで、一転して発売することになった。
“スペルミス”をあえてアピール
「お客様のあたたかいお声を多数いただいたおかげで発売できました!」
「スペルは間違えたけど、味は間違いなし!」
東京都内のファミマ店舗では、こんなポップをつけて新商品が陳列されていた。しかも、「× LAGAR」「○ LAGER」という表記もある。本来は「LAGER」とすべきなのに、「LAGAR」と間違ってしまったことも分かるように説明している。こういった形で発売されるのは極めて異例だ。
新商品はファミマとサッポロビールが共同開発したものだ。本来は、1月12日に数量限定で発売することが決まっていた。しかし、スペルミスが見つかったため、発売中止を決めた。「商品のパッケージもお客さまに提供する品質の一つ」(サッポロビール広報担当者)と判断したためだ。
スペルミスが発覚したのは、商品サンプルが出来上がってからのことだという。一般的に、パッケージの表記は、さまざまな部署の担当者が慎重にチェックする。どういった経緯で誤表記が見逃されたのか、サッポロビールは公開していない。
発売中止を決めた時点で、ビールはすでに缶に詰めている状態だった。もし、発売しなかった場合、ビールはどうなっていたのか。同社は「廃棄に至らないさまざまな方法を検討していた」としているが、その詳細は明かしていない。もし、廃棄しないで何かしらの“活用”や“再利用”をしようとしたら、大変な手間になっていたのは間違いない。
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