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楽天証券、月間の投信積立額が350億円超に ”楽天投資エコシステム”が効果(1/2 ページ)

楽天証券の投資信託積立額が月間で350億円を超えてきた。約110万人が積み立てを設定しており、前年から約2倍に。投資信託の残高は前年同期から53.3%増えて、1.5兆円を超えた。利用者の心を捉えたのは、楽天ポイントを活用した"投資エコシステム”だ。

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 楽天証券の投資信託積立額が月間で350億円を超えてきた。約110万人が積み立てを設定しており、前年から約2倍に。投資信託の残高は前年同期から53.3%増えて、1.5兆円を超えた。主要オンライン証券の中では、SBI証券の投資信託残高が2兆5750億円とトップだが、楽天証券はSBIの約3倍のペースで残高が増加している。

 同社の決算会見で楠雄治社長は、「新規口座開設者は、女性が45%、20代と30代で3分の2を占める。トレーディングはもとより、将来に向けた資産形成に多大なる関心を持っている。投資信託の積み立て、NISA、iDeCoを始めている」と話し、若年層が資産形成目的で流入しているとした。


楽天証券の楠雄治社長

投信保有残高(左)と投信保有者(右)の推移。68%が投信積立を利用している(楽天証券)

 利用者の心を捉えたのは、楽天ポイントを活用した"投資エコシステム”だ。楽天は、楽天ポイントの付与と活用をグループで推し進めており、楽天エコシステムと呼んでいる。楽天証券でも、ポイントを使って投信が買える「ポイント投資」を2017年8月に、楽天カードでの投信積み立てを18年10月に開始。投信を買い付けることでポイントが貯まり、また楽天市場での買い物の還元率がアップするSPUへの加入などから、ポイントの魅力がユーザーを集めた。

 20年の1年間で、楽天証券は133万の新規口座を獲得しており、これは競合のSBI証券(約80万口座)を大きく上回る。この原動力となったのも楽天エコシステムで、「新規口座のうち46%は、直接的に楽天グループから流入してきた」(楠氏)という。

 楽天ポイントの効果は、多くの数字に現れている。例えば、投資信託では71%が併せてポイントを使って購入している。積立注文でも62%がポイント利用だ。楽天カードの利用率も高く、投信積立の70%がクレジットカードでの決済だという。


投信積立注文の楽天ポイント利用率(左)と、投信積立のクレジットカード決済利用者数(楽天証券)

 つみたてNISAも好調だ。国内つみたてNISA口座は合計で274万口座(20年9月末)。うち27.5%を楽天証券が占める。業界トップシェアはSBI証券だが、「SBIは昨年の伸びが25%、当社は65%の伸び。まもなく追いつけそうだ」と楠氏は話した。

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