社長の平均年齢が60歳超に 最も高い都道府県は? 後継者不足は依然深刻:帝国データバンク調べ(2/2 ページ)
帝国データバンクの調査によると、2020年の社長の平均年齢は60.1歳と、調査を開始した1990年以降初めて60歳を上回ったことが分かった。
「秋田県」は62.2歳 平均を上回る地域は「東日本」で目立つ
都道府県別では「秋田県」が平均62.2歳(全国平均+2.1歳)で最も高くなった。次いで「岩手県」が62.0歳(同+1.9歳)、「青森県」が61.8歳(同+1.7歳)と続いた。また、東北以外でも主に東日本では全国平均を上回る地域が目立った。
帝国データバンクが調査を開始した90年と比較して社長の平均年齢が最も高かったのは「秋田県」(+8.4歳)、次いで「青森県」(+7.9歳)、「山梨県」・「沖縄県」(+7.8歳)となった。一方「三重県」は平均58.8歳(全国平均−1.3歳)と、全国で最も低かった。
高齢化が進むにつれて社長の平均年齢も右肩上がりで推移しており、90年(平均54.0歳)と比較して6.1歳上昇。また、業歴30年以上では全体の平均年齢を上回っており、老舗クラスの企業では社長の高齢化が顕著に進んでいるといえる。
社長平均年齢の上昇は、年齢に関係なく第一線で活躍し続ける社長が多いことを示しているが、事業承継の観点では課題の1つになり得る。20年時点の社長交代率は3.80%と大きな変動はみられないほか、後継者が不在であることなどが一因となった倒産は20年1〜12月で452件と依然として高水準である。企業の将来性を担保する観点からも、早めの後継者選定および育成に取り組むことの重要性が増している。
帝国データバンクは、社長の平均年齢は今後も上昇傾向が続くとみられるとした上で「これまでに培ってきたノウハウや歴史を絶やさないためにも、円滑な事業承継に向けた準備が急務になっている」と指摘する。
調査では、21年1月時点の企業概要データベース「COSMOS2」から、企業の社長データを抽出。約94万社を「業種別」「業歴別」「都道府県別」に集計・分析した。
関連記事
- 12月の平均初年度年収 前年比8.1万増加 コロナ禍で「経験者求人」増が影響
マイナビは、同社が運営する転職情報サイト「マイナビ転職」に掲載した求人の「平均初年度年収」の推移レポ―トを発表した。 - キャンピングカーを「動くオフィス」に 無料で提供する実証実験を開始
キャンピングカーと車中泊スペースのシェアサービスなどを運営するカーステイは、キャンピングカーを「動くオフィス」「動く会議室」として提供する「モバイル・オフィス」プロジェクトを開始すると発表した。 - リモート会議での顔出し強要はパワハラ? 会社員1000人に調査
ハラスメント対策の研修を専門に行うダイヤモンド・コンサルティングオフィス(東京都港区)が「世代間におけるハラスメントに対する感じ方、認識の実態調査」を実施。世代間での認識の差が明らかになった。 - 「仕事のやる気が出ないとき」ランキング 3位「人間関係」、2位「忙しいとき」、1位は……
ビズヒッツが、30代の働く男女に「仕事のやる気が出ない」と感じたことがあるか尋ねたところ、「ある」と回答した人は94%超にのぼることが判明した。 - 「社長の住む街1位」が田園調布や成城でなく赤坂である意外なワケ
「社長の住む街」ランキングで1位は赤坂に。田園調布や成城などの高級住宅地を抑えた。背景には経済と社長業の意外な背景が。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.