コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」、1万台以上売れた秘密:あの会社のこの商品(1/4 ページ)
子どもが小学校に入学すると、多くの親は子どもがきちんと勉強してくれるかどうかについて不安を覚える。そんな不安を解消するために、文具最大手のコクヨは、IoT技術を用いた親子間コミュニケーションで子どもの学習意欲を引き出すことを目指した。そのために開発されたのが、「しゅくだいやる気ペン」だ。
その年に売れたものや流行などを相撲の番付形式でランキングする日経MJの「ヒット商品番付」。2020年は12月2日付の紙面に掲載され、西前頭に一風変わった商品が記載されていた。商品名は「しゅくだいやる気ペン」(税込6980円)。コクヨが19年7月に発売したIoT文具である。コクヨ公式オンラインショップ「コクヨショーケース」やAmazonなどECサイトのみで扱っているが、販売台数が1万台を超えている。
「しゅくだいやる気ペン」は、市販の鉛筆に取り付ける専用のアタッチメントと専用のスマホアプリと連動させることで子どもの日々の勉強への取り組みを見える化し、勉強の意欲を高めるもの。アタッチメントに加速度センサーが内蔵されており、ペンが動いた時間を計測。この時間を「やる気パワー」とし、Bluetoothでスマートフォンに接続して専用アプリに取り込むことで「やる気パワー」を可視化することができる。
アプリを立ち上げ、子どもの分身に生えているやる気の木に「やる気パワー」を注ぐと、注がれた量に応じてやる気の木にリンゴの実がなり、その後、「やる気の庭」と称したすごろくのステージに移動。できたリンゴの数だけマスを進み、止まったマスによってはやる気アイテムを獲得できる。すごろくはゴールに達したら次のすごろくに進む。
専用アプリを立ち上げると登場するやる気の木。アプリ対応OS・動作確認端末は、iOS11以上のiPhone、iPadとAndroid7.0以上の端末(動作確認済みのAndroid端末はブランドサイトで公開)
ユニークなのは、親も一緒に使うところ。親は子どものやる気を伸ばす手助けをする役割を担う。
親はアプリで、子どもが勉強した時間をグラフで確認し、子どもがきちんと勉強したらカレンダーにつく子どもマークをタップし花まるをつける。子どもはアプリを見て花まるがついたことを知ると、もっと勉強を頑張る気になるという具合だ。勉強を見守る親のやる気を促す意味から、アプリにはオリジナルキャラクターが週1回、親にさまざまなアドバイスを送る機能もある。
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