コラム
結局、中小企業にとってDXってなんだ?:分かるようで、分からない(3/3 ページ)
「DXやってます」と言わなければビジネス自体を否定されんばかりの今の状態だが、中小、小規模にとって、分かるようで分からないのが、DXだろう。 レガシーな大企業さんだけの話かと思っていたら……。
丁寧に説明してくれる人は、手始めに「紙の書類はできる限りデジタル化すると場所も取らないし、検索も楽ですよ」「サーバーはクラウド化すれば、どこからでもアクセスできるしコストも下がりますよ」「電話やFAXはメールかチャットにしましょう」「プロジェクトのタスク管理はオンラインにすればリアルタイムで管理が可能ですよ」などのありがたい助言をいただくが、そんなレベルのことを言っているのではないことは自明だ。それは中小企業のITスキルをバカにしすぎであって、現時点でそれぐらいのことができていない企業はDXどころの話ではない。
中小・小規模企業の経営者は、こうした動きにまどわされてはいけない。DXのために、本業がおかしくなるという愚の骨頂だけは避けなければならない。
将来まで事業を継続するために、製品の出荷までのリードタイムが短縮し、顧客にタイムリーに提案でき、現場の声をいち早く救い上げ意思決定を早くする、あるいはリスクを低減する、こうした事業の継続に向けて、日々努力を続けるしかないし、これにDXが貢献できるのであれば、どんどん採用するだけの話だ。
本業の本質を見失うことなく、それこそ今こそ、自分たちの強みがさらに生かされるような仕組みづくり。そこにデジタル化が役立つのであれば、積極的に活用する。この基本を忘れずに、あまたある「DX業者」に騙されることなく、事業を継続していきたいものだ。(猪口 真)
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