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ビットコインのファンダメンタルズとは何か? ARKレポートから読み解く(2/4 ページ)

この1年で540%もの価格上昇を見せたビットコイン。米国企業や機関投資家が買っているともいわれ、新たな資産として見られることも増えてきた。しかし、ビットコインについてまわるのが「本質的な価値がない」という言葉だ。では、ビットコインのファンダメンタルズとは何だろうか?

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簿価と市場価格との乖離(かいり)

 もう1つが簿価と市場価格の違いだ。ここでいう簿価とは、保有者全員の平均購入価格を指す。ビットコイン保有者にとって、簿価よりも市場価格が高ければ、その分は含み益になっているといえる。


ビットコイン平均簿価と市場価格の推移(アーク)

 17年のバブル期には、市場価格が急上昇するとともに簿価も上昇した。このとき、多くの新規参入者があり、新たにビットコインを買ったことを示している。その後、市場価格が下落し19年に簿価を割り込んだところで、価格は反発した。

 「ビットコイン価格が紫の領域(簿価)に突っ込んだときに反発している。時価総額と簿価総額を見比べることでタイミングを測ることができる」(千葉氏)

検索数と市場価格

 次はグーグルでの検索数とビットコイン価格の推移だ。17年のバブル時は、検索数が急上昇し、併せてビットコイン価格も急騰した。ところが、20年の上昇においては、価格は上昇したが検索数は目立った伸びを見せていない。


「ビットコイン価格」のグーグル検索数と市場価格の推移(アーク)

 「いまの市場参加者が誰なのかをうかがい知れる。紫の線(検索数)が急に上がるということは、個人投資家が価格を検索し始めているということ。個人が流入している時期だ。検索が横ばいなのに価格が上がっているのは、個人ではない人たちがドライブしている相場だということ」(千葉氏)

 こうしたデータからも、昨今の相場上昇が個人投資家の熱狂によるものではなく、企業や機関投資家による購入がもたらしたものだということが分かる。

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