下宿学生のアルバイト収入がコロナ禍で2割減:大学生の生活実態調査
全国大学生活協同組合連合会が調査結果を発表した。新型コロナウイルス感染拡大以降、初の調査となり、その影響がみられた。
全国大学生活協同組合連合会は3月8日、第56回学生生活実態調査の結果を発表した。下宿学生のアルバイト収入は前年に比べ2割減少しており、食費や教養娯楽費を切り詰めている現実が浮き彫りになった。
同調査は1963年から原則毎年秋に実施。今回は20年10月〜11月に行い、全国の国公私立30大学から1万1028の回答を得た。新型コロナウイルス感染拡大後としては初めての調査となる。
下宿生のアルバイト収入は2万6360円で前年に比べ7240円減少した(−21.5%)。前年からの減少額は70年以降で最も大きい。仕送りは7万410円(前年−2400円)、収入合計は12万2250円(同−7610円)で共に減少。仕送り0円の下宿生が全体の8.6%に増加した。
支出面では、食費(2万4570円、同−1820円)と教養娯楽費(1万990円、同−1880円)の減少が顕著。支出合計は12万1180円で、こちらも減少している(同−7910円)。
自宅生のアルバイト収入は3万7680円で前年に比べ3550円減少(−8.6%)。11年から9年ぶりの減少となった。支出面では、食費(1万670円、同−3180円)、教養娯楽費(1万750円、同−2240円)が減少する一方で、貯金・繰越は増加している(1万9610円、同+2730円)。
半年間(4月〜9月)のアルバイト就労率は全体的に減少。特に1年生は59.1%と前年から19.1ポイント下がり、東日本大震災のあった2011年以来の低水準となった。「新規にアルバイト先を探したが見つからなかった」が26.5%にのぼる。
2年生以上では5人に1人が「勤務先からシフトを減らされた」経験があり、「アルバイト先の休業で勤務できなかった」という回答もみられた。
関連記事
- 対象者のほとんどが知らない!? 政府の「休業支援金」、執行率わずか1割
- モンテローザ、来店客からの「感染症対策料」徴収を中止
- 新生活を支援:コロナのせいでバイト減…… 横浜の不動産会社、新入社員に10万円の「新生活準備金」支給
不動産事業を手掛けるリスト(横浜市)が新入社員1人当たり10万円を支給する。新生活の準備などに使ってもらう。コロナの影響で経済的・精神的に苦しむ学生が増えたため。 - 先は本当に長い:就活生にとって厳しい状況は続くが、本当に大切なことは
コロナ禍のなか、就活を続け、Webでの面接など、ほとんどの人が体験たことのないことを経験し、この4月から新社会人として社会に巣立つ人は、一向に落ち着かない状況のなか、不安でいっぱいだろう。人気企業のランキングもかなり様変わりした。 - どう乗り切ったのか:コロナ禍での就活、Web面接だけで入社を決めた学生はどの程度いた? 独自の苦労も
コロナ禍での就職活動を振り返る。2021年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に調査を実施。どんな苦労があったのか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.