パナの高級トースター「ビストロ」は、なぜ2倍ペースで売れているのか:水曜インタビュー劇場(アツアツ公演)(1/5 ページ)
パナソニックが高級トースター「ビストロ NT-D700」を発売した。価格は3万円近くするのに、前年比2倍ペースで売れているという。従来機と比べて、デザインが大きく変わったビストロはなぜ売れているのか。担当者に聞いたところ……。
おいしいトーストを食べたい――。そんな消費者ニーズに応えるかのように、高級トースター市場で“アツアツ”の状況が続いている。
先陣を切ったのは、バルミューダが2015年に発売した「バルミューダ ザ・トースター」だ。当時、トースターの価格は数千円が主流だったのに対し、ザ・トースターは2万2900円(税別、現在は2万3500円)。ケタ違いの価格に対し、業界からは「そんなモノは売れるわけがないでしょ」といった声もあったが、家電量販店などで並べたところ、売れに売れた。
いや、正確に言うと、いまも売れている。国内外の累計販売数は100万台を超え、2020年12月の単月売上は過去最高に。こうした動きを見て、他社も黙っていたわけではない。アラジンが4枚焼きの「グラファイト グリル&トースター」を販売したり、三菱電機は1枚焼きの「ブレッドオーブン」を投入したり。
各社が高級トースター市場に参入するなかで、ちょっと気になる商品が登場した。パナソニックの「ビストロ NT-D700」(実勢価格2万9700円、税込)だ。機能面については後述するとして、最大の特徴は「デザイン」である。前のモデルはボタンがたくさん搭載されていたので、正直に言って「ごちゃごちゃしているなあ」という印象があったが、ビストロは違う。クルマに例えると、フルモデルチェンジをしたかのように、“別モノ”として生まれ変わったのだ。
とはいえ、高級トースターの売り場に足を運ぶと、たくさんの商品が並んでいるので、売り上げは苦戦するかもしれない。が、しかしである。パナソニックの担当者に聞いたところ、「2月1日に発売して、前年比2倍ペースで売れている」とのこと。
高級トースター市場で、なぜビストロが売れているのか。また、商品開発にあたって、どのような苦労があったのか。商品開発に携わった内田さやかさんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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