毎月30%増! オンライン版の音楽教室が、まだまだ伸びそうな理由:水曜インタビュー劇場(メロディ公演)(1/6 ページ)
オンラインの音楽教室に、生徒がじわじわ集まっていることをご存じだろうか。サービス名は「フォニム」。既存のリアル店舗ではなく、なぜネット上で演奏する人が増えているのだろうか。運営元の社長に話を聞いたところ……。
ボボローン、ボボローン♬
「うーん、ギターをうまく弾くことができないなあ。習いに行きたいけれど、教室に通うのが面倒」――。そんな理由で、あきらめていた人の“心の音”を聞いて、生徒数を伸ばしている会社がある。弱冠26歳の青年がトップを務める「フォニム」(東京、千代田区)だ。
2020年7月に、オンライン版の音楽教室「Phonim(フォニム)」を開始したところ、生徒数は右肩上がり。前月比20〜30%増で伸びていて、同社の宍戸光達社長は「21年度中には会員数2500〜3000人を見込んでいる。レッスン業界の“ネットフリックス”になりたい」(同社)と夢を語る。
こんな話を聞いても「いやいや、それはムリでしょ。生徒数が伸びているといっても、まだまだ」と思われたかもしれないが、「ひょっとしたらひょっとして、大きく化けるかも」と感じさせられるビジネスモデルなのだ。フォニムのサービスをご存じない人も多いかもしれないので、簡単に紹介しよう。
現在、提供しているプログラムは、ピアノ、ヴァイオリン、クラシックギター、サックスの4つで、料金は月1980円(税込)。講師による動画を週2〜3回配信して、独自の教材を使って学んでもらう。1回のレッスンは10〜20分なので、スキマ時間に学ぶ人が多いようだ。
その後、生徒は自分の演奏を録音して、Webサイトにアップロード。その演奏に対し、講師とは別に20〜30人ほど用意したチューターが、チャット画面に感想などを書き込む。フィードバックを得た生徒が「よし、これでOK」と手応えを感じたら、次のレッスンに進むことができるという仕組みだ。
フォニムの最大のウリは、なんといっても講師陣である。若手ギタリストとして注目を集めている徳永真一郎氏や即興ピアニストとして有名な榎政則氏など、第一線で活躍している人をそろえているのだ。また楽器メーカーと提携して、月5000円ほどから電子楽器の貸し出しも行っていて、生徒がその楽器を1年半利用すると無償で提供している。
街中に音楽教室はたくさんあるのに、なぜフォニムはオンライン版を始めたのか。生徒数が伸びている背景に、何があるのか。同社の宍戸社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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