毎月30%増! オンライン版の音楽教室が、まだまだ伸びそうな理由:水曜インタビュー劇場(メロディ公演)(2/6 ページ)
オンラインの音楽教室に、生徒がじわじわ集まっていることをご存じだろうか。サービス名は「フォニム」。既存のリアル店舗ではなく、なぜネット上で演奏する人が増えているのだろうか。運営元の社長に話を聞いたところ……。
映像を見て、楽器を演奏
土肥: オンラインの音楽教室「フォニム」の生徒数が伸びているようですね。映像を見て、楽器を学ぶ――。リクルートが提供しているWeb学習サービス「スタディサプリ」と似ていますが、そもそもどういったきっかけで、このようなサービスを始めようと思ったのでしょうか?
宍戸: 子どものころからずっとピアノを学んでいまして、高校1年生までピアノの鍵盤しか触ったことがないくらいの生活を送っていました。当時、東京芸大で学ぶことを目指していたのですが、進路のことで悩んで「東京大学に行こう」と決めました。結果、合格して、瀧本ゼミ(投資家・経営コンサルタントの瀧本哲史氏、2019年に亡くなる)に入りました。
ゼミに入ってから、ビジネスモデルに興味をもつようになったんですよね。「こんな事業はどうだろう?」「いやいや、こんなアイデアはどうかな?」といった感じで、同級生などと議論を交わしていまして、ある日、楽器業界のことを調べることに。新規参入がほとんどない業界で、昔から製販一体でやっているんですよね。楽器をつくって、全国に販売店がある。
そんなことをしているうちに「オンラインで教室を開くのはどうか?」といった話になりました。既存の音楽教室に通っているのは、子どもまたはシニアが多い。働いている人たちは忙しいので、教室に通うことが難しいんですよね。では、「そうした人たちに向けて、どんなサービスがいいのか」といったところから開発がスタートしました。
ちなみに、大学は2017年に卒業して、就職はしていません。その後、起業して、オンラインの音楽教室を始めようと思ったのは、2019年の秋のことです。
土肥: 「オンラインの音楽教室をやるぞ〜」となれば、例えば、Zoomなどを使って楽器を教えるという形が浮かびませんか? 先生がピアノを弾いて、生徒に「さあ、同じようにやって」といったやりとりをする。しかし、フォニムは動画で学ぶ形式を採用しました。それは、なぜですか?
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