職場でよく発生する「ハラスメント」とは? 明確にアウトと言いにくい内容が上位に:当人と周囲の認識にギャップ
職場におけるハラスメントの調査が行われた。発生しやすいハラスメントとはどういったものか。また、当人と周囲の認識にギャップがあることも判明した。
働く人の約3人に1人が「職場のメンバーによるハラスメントがあった」とする一方、「自分自身がハラスメント言動を行ったことがある」と認識しているのは約4〜5人に1人にとどまる。そんな実態が労務行政研究所と筑波大学「働く人への心理支援開発研究センター」の調査で分かった。
同調査では、「普段以上に声を荒げて、感情的に相手を責めたり怒ったりする」や「陰口を言ったり、悪いうわさを広めたりする」といった17項目をハラスメント言動として選別。過去6カ月間にそれらの言動や行為を、自分自身や職場のメンバーが行ったことがあるかを尋ねた。
職場のメンバーによるハラスメントがあったことを認識しているかどうかを尋ねた。すると、特に見られる言動は「相手が嫌がるような皮肉や冗談を言う」(36.2%)や「陰口を言ったり、悪いうわさを広めたりする」(35.5%)だった。法的には明確に「アウト」と言いづらい間接的な内容ほど発生の可能性が高くなると同研究所は分析している。また、約3人に1人が職場にハラスメントがあったと認識していることが分かった。
自分自身が職場内の人々に対して、ハラスメント言動を行った認識があるかを尋ねた。すると、特に見られる言動は「陰口を言ったり、悪いうわさを広めたりする」(25.7%)や「相手が嫌がるような皮肉や冗談を言う」(24.7%)だった。また、約4〜5人に1人が自分自身がハラスメント行動をしたと認識していることが分かった。
同研究所は「当人と周囲のあいだにある認識上のギャップが、ハラスメントという問題をより深刻にしていると考えられる」と分析した。
今回の調査は2020年12月19〜27日、インターネット上で実施した。調査対象者は1033人。
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