「御三家」の帝国ホテル、建て替えの決断 リッツ・カールトンやハイアットにどう立ち向かう?:外資VS.日系の顧客獲得合戦(1/4 ページ)
帝国ホテルが、主力の「帝国ホテル 東京」(東京都千代田区)を建て替える方針を固めたとの報道があった。その理由として本館の老朽化と、外資系高級ホテルへの対抗があるという。日系ホテルは外資系にどう立ち向かえばいいのだろうか。
帝国ホテルが、「ホテル御三家」の1つである「帝国ホテル 東京」(東京都千代田区)を建て替える方針を固めたとの報道があった。その理由として本館の老朽化と、都内で続々と開業する外資系高級ホテルへの対抗があるという。
日本のホテル界では長年に渡り「帝国ホテル 東京」(日比谷)、「ホテルオークラ(現The Okura Tokyo)」(虎ノ門)、「ホテルニューオータニ」(紀尾井町)の3ホテルを「御三家」と呼び、高級ホテルの代名詞とされてきた。ホテル界をリードしてきた存在といっても過言ではないが、高級サービスを提供するデラックスホテルでいえば1990年代に入り外資系が多く進出。
「フォーシーズンズホテル椿山荘東京(現ホテル椿山荘東京)」(目白/1992年開業)、「パーク ハイアット 東京」(西新宿/94年)、「ウェスティンホテル東京」(恵比寿/94年)は、御三家に対して「新御三家」と呼ばれた。さらに外資系ブランドの進出は続き「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」(丸の内/2002年)、「グランド ハイアット 東京」(六本木/03年)が話題に。05年にはヒルトンの上級ブランドである「コンラッド東京」(汐留)とさらに開業が続いた。
御三家・新御三家と前記したが、さらには「新々御三家」も出そろう。新々御三家とは「マンダリン オリエンタル 東京」(日本橋/05年)、「ザ・リッツ・カールトン東京」(六本木/07年)、「ザ・ペニンシュラ東京」(銀座/07年)の3ホテルを指す。
こうした動きは既存ホテルへの脅威として捉えられ「ホテル2007年問題」とも指摘された。知名度の高い外資系ブランドが出そろった感もあったが、その後は外資系ブランドでも、特色あるコンセプトタイプのホテルが参入する傾向が続いた。
虎ノ門ヒルズに開業した「アンダーズ 東京」(14年開業)は、ハイアットホテルアンドリゾーツの日本初進出のライフスタイルホテルブランドだ。初進出といえば、同じく14年に大手町に開業した「アマン東京」は、スモールラグジュアリーなリゾートホテルとして知られるアマンの日本初進出となった。
これらホテルの進出は、2007年問題に対して「ホテル2014年問題」といわれ再びメディアを賑わせた。さらにコロナ禍においても個性的なホテルブランドの進出が続いた。「メズム東京 オートグラフ コレクション」(竹芝/20年4月開業)、ACホテル・バイ・マリオット(銀座/20年7月)、東京エディション虎ノ門(虎ノ門/20年9月)、キンプトン 新宿東京(新宿/20年10月)、アロフト東京銀座(銀座/20年10月)などだ。これらのホテルは、大胆かつ活気あふれるデザインも特徴的だ。
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