「コロナ不眠症」が増え、注目されている業界は?:生産性低下を招く(3/4 ページ)
新型コロナウイルス感染症の「影響」によって引き起こされている、ある健康問題が懸念されている。それは「コロナ不眠症」。睡眠不足に悩まされる人が増えていることによって、とある業界が注目を浴びていて……。
マットレス業界に注目
そして、コロナ禍で特に注目されているのが、マットレス業界だ。新型コロナの流行で、自宅で過ごす時間が増えたこともあり、ベッドルームを快適にしようと寝具を買い替える人が増えているからだ。また米国などでも、多くの企業がリモートワークを導入したことをきっかけに、都心部から郊外へ引っ越す人が増え、マットレスの需要も増えているという。
新型コロナの流行が、寝具の買い替えを後押しする状態になっているわけだが、この恩恵を大きく受けているのが、デジタル世代に多大な支持を得ている、DTC(Direct To Consumer)のブランドだ。
オンラインでブランドの立ち上げから情報発信も行い、さらに消費者へ直接販売を行なっているDTCのブランドは、メーカー直販の強みを生かし高品質な商品を低価格で販売できるため、近年急成長を遂げてきているビジネスモデルだ。
新型コロナによる外出制限により、実店舗の営業が規制されたため、多くの消費者はネット通販に頼らざるを得なくなり、購買行動が一変してしまった。もともと実店舗を持たず、オンライン中心で販売を行なってきたDTCのブランドは、いち早くその状況に順応することができたため、売り上げを伸ばすことに成功している。
日本のマットレス業界で、このビジネスモデルを取り入れて成功しているのが、例えばオーストラリア発のブランド「コアラ」だ。マットレスの上に、ワイングラスを置いたままジャンプしてもこぼれない、という製品の機能性をソーシャルメディアで情報発信して、話題になっているブランドだ。
コアラは、15年にオーストラリアで創業し、わずか2年で国内トップのマットレスブランドに成長した実力派だ。日本へは17年に上陸しており、DTCマットレスのブランドとしては先駆け的な存在になっている。ブランド名にもなっているコアラは、世界で最も長く眠る動物として知られており、オーストラリア出身の創業者によると「眠りのスペシャリスト」として「すべての人に深く快適な眠りを届けたい」という思いが込められているという。
関連記事
- 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 僕らのヒーローだったジャッキー・チェンが、世界で嫌われまくっている理由
香港アクション映画の象徴的存在、ジャッキー・チェンのイメージダウンが止まらない。隠し子である「娘」の振る舞いや、自伝で語られた「ダメ人間」ぶりなどが欧米やアジアで話題になっている。私たちのヒーローだったジャッキーに何が起きているのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.