だらっと横にしてもいいのに、なぜコクヨはビジネスリュックを「立たせた」のか:水曜インタビュー劇場(観察公演)(1/5 ページ)
文具メーカーのコクヨが、ビジネスリュックを発売した。最大特徴は「立つ」こと。「なぜ立たせる必要があるの?」と感じたかもしれないが、ビジネスパーソンの働き方を考えた末に、この構造にたどり着いたという。開発担当者に話を聞いたところ……。
「コクヨ」と聞くと、多くの人から「キャンパスノートを使っているよ」「オフィスのイスもコクヨ製だったよな」といった声が聞こえてきそうだ。それもそのはず。売り上げは3202億円で、従業員は7000人ほど(2019年12期)。シェアを見ても、文具市場でもナンバーワン、オフィス家具市場でナンバーワンだという(同社調べ)。
同社は1905年に大阪で生まれて、今年で116歳。その長い歴史のなかで、数多くの商品を生み出してきた。文具でいえば、ノート、ハサミ、ファイルなど。オフィス家具でいえば、デスク、キャビネット、ホワイトボードなど。まるで電話帳のような分厚さのカタログを見ていて、ちょっと気になったことがある。ビジネスバックだ。
通勤用や出張用などのカバンを扱っているが、デザインはオーソドックスな感じ。ちょっと個性的なモノを持ちたい人には「うーん、選べない」といった声が出てきそうだが、この2月に登場したカバンは違う。その名は「スタンドバックパック」だ。
同商品は収納するノートPCのサイズに合わせ、2種類ある。13.3インチモデルが1万6500円(税別)、15.6インチが1万9000円(同)。色はネイビー・ブラックとダーク・グレーを展開している。チャックを開ければ、さまざまな仕事道具を分けて入れることができるなど、開発の工夫がうかがえるが、最大の特徴は何といっても「立てられる」ことだ。
スタンド部分を引き出すだけで、手軽に「立てられる」。それにしても、なぜこのようなカバンを開発したのか。商品開発に携わった伴和典さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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