上司を「まねる」ことが仕事なのか そんな時代は:新社会人へ(2/3 ページ)
昨年は、ちらほらとしかリクルート姿の学生くんたちを見ることがなく、今年入社する人たちは、ほぼオンラインでの面接をやり遂げた人たちなのだろう。大企業やIT関連の企業を中心に、すっかりテレワークが浸透している。自分のデスクがない新人ということもあるうる世代となりそうだ。
まず覚えさせられる「ホウレンソウ」などは最たるものだろう。報告したり、相談したりすることは悪いことではないが、テレワークでの仕事の仕方など、先輩に聞いてもわからない。むしろ、テレワークにも、組織のへんちくりんな見えないルールを持ちこむものだから余計に面倒だ。
(例えば、ミーティングアプリに表示される顔の順番など、意味がわからないこと)
おそらく、「新入社員研修」は、予定どおり行われるのだろう。しかも、従来のプログラムをオンラインに乗せただけのものが大半だろう。
社会人としての最低限のマナーは身につける必要があるだろうが、仕事の仕方や価値を生み利益を上げる仕組みは、これまでの対面を前提としたものであることを忘れてはいけない。
かつてであれば、新入社員研修期間があり、試用期間のなかで様々な仕事を経験させられ、本配属となり、その後OJTという名で先輩につき、仕事の仕方を一から学ぶということで進んでいった。
ところが、テレワークでは、OJTはほぼ機能しないと思っておいたほうがいい。せいぜい、顧客やパートナーとのミーティングに参加し、先輩とのミーティングを定期的に行うことぐらいだろう。それで覚えることがあったとしても、(先輩の自慢話や武勇伝がほとんどだから)新しい仕事のやり方では通用しないことばかりだろう。
これから入社する人たちは、史上初「上司を真似ることが仕事ではない」世代となる。これまでは、上司に追いつき、上司の代わりの人材になることが目標だったが、これからはそうではない。新しい価値の生み出し方を自分で考えることが前提となった新しい世代となる。前例がないのだから。
関連記事
- 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 「仕事中に下品なことを言う」人の未来がない、これだけの理由
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長による女性蔑視発言、テレビ朝日「報道ステーション」のCMなど、このところジェンダー問題が噴出している。この問題を回避する方法はあるのか。筆者はシンプルな方法を考えていて……。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.