想定の5倍以上! なぜデロンギのサブスクは「受付→停止」を繰り返すのか:水曜インタビュー劇場(コーヒー公演)(2/6 ページ)
デロンギ・ジャパンのサブスク「ミーオ!デロンギ」が売れに売れている。受付を開始したところ、すぐに完売。再開しても、すぐに完売。注文が殺到しているようだが、なぜこのようなことが起きているのか。同社の担当者に話を聞いたところ……。
試験的にサブスク
土肥: 「ミーオ!デロンギ」がとんでもないことになっていますね。サービスを始めたものの、すぐに受付停止に追い込まれました。しかも、三度もあって、いまだに再開日を発表していません(4月13日時点)。
「ミーオ!デロンギ」は、コーヒー豆を定期購入するお客に、デロンギの「マグニフィカS 全自動コーヒーマシン」(5万4780円)を無料で提供するサービスですよね。契約プランは2つあって、毎月3袋のコーヒー豆が届く「毎月お届け便」(4500円)と、隔月で6袋が届く「まとめてお届け便」(7800円)がある。また、コーヒー豆はイタリアのブランド「ムセッティ」のもので、6種類から選択できるようにしました。
このサービスの最大の肝は、最低購入回数の条件(毎月お届け便は24回、まとめてお届け便は12回)を満たせば、2年後には全自動マシーンが手に入ること。ということもあって、SNS上では“計算”している人が多いですよね。「毎月と隔月、どっちがトクなんだ?」「いずれにしても安い」といったコメントがありますが、そもそもなぜこのようなサービスを始めたのでしょうか?
木村: デロンギの本社はイタリアにあって、グローバルに展開しているんですよね。ここ数年、日本のコーヒー事業は二桁成長を続けているのですが、海外は違う。さらに伸びているので、日本でもなんとかしなければいけません。ただ、成長のボトルネックとして「価格の高さ」があるのではないかと感じていました。
土肥: デロンギのコーヒーマシーンは、5万円〜20万円ほどしますよね。
木村: はい。コーヒーは嗜好(しこう)品なので、なくても生活を送ることはできる。また、カフェで楽しむことはできますし、コンビニで買うことはできますし、自動販売機で缶コーヒーを飲むこともできる。日本独特の外部環境もあって、思ったとおりの成長ができていませんでした。
こうした課題を解決するには、どうすればいいのか。小売店だけで販売していても、海外に追いつくことはできない。直販のような形で展開することはできないかと考え、2019年4月にサブスクサービスを始めるために、各部署から担当者を集めました。で、その年の秋、試験的にサブスクを始めました。
土肥: どんな内容でしょうか?
関連記事
- こんなに頑張っているのに、なぜ日本だけGDPが回復しないのか
日本経済の復活がうかがえるような、データがなかなか出てこない。先進国と比べて、GDP増加率は低く、賃金も低い。多くのビジネスパーソンは懸命に働いているのに、なぜパッとしないのか。筆者の窪田氏は「日本社会のシステムがブラック企業化しているから」と見ていて……。 - あわあわあわ! なぜアサヒビールの「生ジョッキ缶」から、泡が次々に出てくるのか
缶のフタを開けると、泡が自然に発生するビールが登場する。アサヒビールは4月に「生ジョッキ缶」を発売。缶ビールといえば泡がたたない構造をしているのに、なぜこの商品は泡が出てくるのか。同社の担当者に開発秘話を聞いたところ……。 - だらっと横にしてもいいのに、なぜコクヨはビジネスリュックを「立たせた」のか
文具メーカーのコクヨが、ビジネスリュックを発売した。最大特徴は「立つ」こと。「なぜ立たせる必要があるの?」と感じたかもしれないが、ビジネスパーソンの働き方を考えた末に、この構造にたどり着いたという。開発担当者に話を聞いたところ……。 - なぜ京急で社員からの「内部告発」が相次いでいるのか
「京急愛」なんて言葉もあるほど、多くの鉄道ファンから慕われている「京急電鉄」。その京急に対して、内部告発記事が続いている。その背景に何があるのか。筆者の窪田氏は……。 - “売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。しかも、20年も売れ続けていて……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.