配達員トラブル多発のウーバーが、「不祥事相次ぐセブン」と妙に重なるワケ:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
街中でちょいちょいトラブルを起こしているウーバーイーツに、「ルール整備」を求める声があがっている。配達員の危険運転が問題になっているわけだが、筆者の窪田氏は「ウーバーとセブン-イレブンは同じ匂いをしている」という。どういう意味かといと……。
配達員は個人事業主
このような数々の共通点を踏まえれば、ウーバーはセブンを「他山の石」とすべきではないだろうか。つまり、配達員を「個人事業主」と他人面していても、事態は何も好転せず、さらなる不満やトラブルを引き起こす現実と向き合うべきではないか。
19年3月15日、中央労働委員会は、セブンなど大手コンビニと加盟店契約を結んでいるオーナーらが「会社側が団体交渉に応じなかったことは不当労働行為だ」と救済を申し立てたことを棄却する命令を出した。労働争議を調整する中労委が、コンビニオーナーは「労働組合法上の労働者に当たると評価することはできない」と判断した意味は大きい。
しかし、このようにオーナーと本部の関係が明確にされた後も、セブンの現場ではトラブルが続いている。法的に関係をクリアにすることは、現場のトラブル解決に大した影響を与えないのだ。
「コンビニは生活インフラ」だと胸を張っていたセブンは、まだまだコンビニは出店の余地はいくらでもあると主張してドミナント戦略や、新規出店を続けたが、オーナーとの対立や現場のトラブルが注目を集めてから、その勢いは明らかに落ちている。もちろん、今はコロナの影響も大きいが、19年10月の時点で既に「1000店舗閉店・移転」を発表するなど、コロナ以前からイケイケドンドンの拡大路線に陰りが見えてきているのだ。
ウーバーも今のまま配達員との対立やトラブルを「配達員は個人事業主」で押し切れば、同じような道をたどるのではないか。日本は世界で最も早く少子高齢化が進行する人口減国家である。現場からも不満噴出、トラブルも多発なんてサービスは、どんなに便利なものであっても拡大路線にブレーキがかかってしまうものだ。
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