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ヒルズアプリ誕生で生まれ変わった森ビル「ヒルズ」 DX化でどう進化?顧客データを「ONE ID」でつなげる(2/3 ページ)

2021年4月5日、森ビル(東京都港区)が専用IDの発行とアプリを通し、数ある“ヒルズ”情報を顧客にスムーズに提供する「ヒルズネットワーク」という、新しい試みをスタートした。東京を代表するランドマークをいくつも手掛けてきた不動産デベロッパーが生み出した、デジタル×ヒルズの魅力とは何なのか。森ビルに直接、話を聞いた。

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ヒルズIDとアプリ導入で利用者の解像度を上げる

 その課題を解消する術として持ち上がったのが、“ヒルズをONE IDでつなげる”という考え方であり、ヒルズIDを活用したヒルズネットワークの構築であった。現在、各サービスはヒルズID一つでログインできるようになっている。「ヒルズIDとサービスをひも付けることで、われわれはお客さまの属性を横断的に理解でき、最適な情報を提供できるようになりました。これまでぶつ切りだったサービスや街での体験をシームレスにつなげる、そのためにデジタルの力を借りてお客さまの解像度を上げていこう――それが、ヒルズネットワークの出発点でした」。山本氏は、プロジェクトの立ち上げをそう振り返る。

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ヒルズIDは、「ヒルズアプリ」または森ビルが運営する各サービスサイト上で発行できる(「WORKERS BOARD」のWebサイトより)

 ヒルズネットワークでは、ヒルズIDを生かしたフロントツールとして「ヒルズアプリ」が活躍する。森ビルが運営する各サービスサイトとヒルズアプリ、それぞれ同一IDでログインすることでアプリに情報が同期され、属性に応じたレコメンドが反映される。店舗やイベント、ベネフィットを、ヒルズをまたいで検索できるようになったのも、今までにはない大きな魅力といえるだろう。

 ポイント管理もアプリで進化した。これまでは、各ヒルズ共通のポイントカード「ヒルズカード」を利用できた。たまったポイントは1000ポイントから使えたが、利用には施設に設置されている交換機を通さないといけないなど、面倒でアナログなシステムであった。

 現在はアプリからQRコードを提示することでポイントが付与されるようになった他、100ポイントから利用可能に。もちろん、ポイント消費はアプリから直接行える。既存のヒルズカードユーザーは、プラスチックカードに刻まれた「ヒルズカード番号」をアプリに登録することでひも付けでき、たまっていたポイントを移行できる。

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施設情報の閲覧・検索だけではなく、森美術館の予約・入場もアプリ上から行える。21年夏以降に予定されている拡張機能では、イベントへの申し込み、レストラン予約もカバーするという(出所:プレスリリース)

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