女子アナのステマ疑惑に揺れるフジテレビ グレーなステマの難しさ:専門家のイロメガネ(1/5 ページ)
フジテレビが揺れている。テラスハウス出演者に対する誹謗(ひぼう)中傷、放送法の外資規制違反と続き、そして新たに出てきた問題が、女子アナによるステマ疑惑だ。フジテレビの女子アナが、自身のインスタグラムのアカウントで投稿している内容や美容室がアカウントに登場していることはステマにあたるのではないか?
フジテレビが揺れている。
テラスハウス出演者に対する誹謗(ひぼう)中傷、放送法の外資規制違反と続き、そして新たに出てきた問題が、女子アナによるステマ疑惑だ。
発端はフジテレビにアナウンサーとして所属する女性社員が、自身のインスタグラムのアカウントで投稿している内容や美容室がアカウントに登場していることがステルスマーケティング、いわゆるステマにあたるのではないか? と週刊文春で報じられたことがきっかけだ。
ステマはSNSや記事で広告なのに広告ではないふりをすること、こっそりお金や無料で金品を受け取って宣伝をすること、と理解されている。これで大きな間違いはないが、より厳密に説明をすると「関係性の明示」が行われていない広告がステマとされている。つまり「金品をもらっている宣伝」であることを明確にしていない情報発信がステマ、ということになる。
現在多くのメディアではステマが厳しく排除される一方で、個人のSNSアカウント、特にインスタグラムでは、商品をしっかり映して店名やお店の公式アカウントを明記するなど、明らかにステマにしか見えない投稿は珍しくない。
実際、フォロワー数千人程度でインフルエンサーとはいえない一般人にも、こういったステマの依頼が来ることは珍しくないと直接聞いたこともある。ステマという言葉も知らず、無料招待や無料でもらったお礼にと、罪悪感もなしにSNSへ投稿している人もいるのが現状だ。
ではステマの何が問題か、フジテレビの女子アナがステマを行うことの何が問題なのか。テレビ局に限らず自社に関わる人間がステマを行ってトラブルに巻き込まれないためにはどうしたらいいのか。そして「ステマ疑惑」が疑われること自体を避けるべき理由について、Webメディア編集長として情報発信に携わり、経営者でもある立場から考えてみたい。
関連記事
- 元グラビアアイドルが語る、SNSの有名税と誹謗中傷 テラスハウス問題の本質とは
13年間グラビアアイドルとして活動してきた間、活躍するために、そして生き残るために、ネットをいかに活用するかは最も重要だった。「嫌ならSNSを辞めればいい」というものがある。真正面から答えるなら「簡単に言わないで欲しい」の一言だ。芸能活動でSNSは命といっても過言ではないからだ。 - 「テレビ局が株主だから大丈夫」宮迫・亮の謝罪会見に見る、吉本興業の深刻な勘違い
宮迫・亮の謝罪会見で注目されたのが、「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫」といわれた、という発言だ。これは吉本が「テレビ業界の子会社」のような位置づけに近いことを意味する。事務所を辞めるべきは芸人なのか、それとも事務所幹部なのか? そして甘い対応をすれば、テレビ局にも責任が発生する可能性もあるのではないか? - テレビ局が吉本興業を出入り禁止にすべき理由
吉本興業の芸人による闇営業。この事件で最も重要なことは、事務所のあずかり知らない所で所属芸人が詐欺集団の会合に参加したことであり、芸人をマネジメントすべき吉本興業がそれを防げなかったことだ。本来研修を受けるべきは芸人ではなく、吉本興業の経営陣ではないのか。 - ミニ入江は身近にいる カラテカ入江氏の闇営業トラブルに見る「紹介」の怖さ
お笑い芸人のカラテカ・入江慎也氏の「闇営業」をきっかけに、芸能界が揺れている。入江氏の勘違いは、紹介は引き合わせた双方に責任が発生する重大な仕事であるということだ。ミニ入江のようなおかしな人物も決して珍しくない。人を紹介すること、仕事を紹介すること、そしてそれを引き受けることはそれなりのリスクがある。 - わたし、定時で帰れるの? 残業を強制できるラインはどこか
ドラマ『わたし、定時で帰ります。』が話題になる背景には、多くの人にとって定時で帰れず残業が当たり前の状況があります。本来、残業をせずに定時で帰っていいラインとはどこにあるのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.