73.6%の不動産業「コロナの影響が出た」 廃業を考えているのは?:警戒感(1/2 ページ)
東京商工リサーチが2021年4月に実施したアンケート調査によると、不動産業で「コロナの影響を受けた」のは220社中162社で、全体の73.6%に達していることが分かった。
東京商工リサーチ(東京都千代田区)が2021年4月に実施したアンケート調査によると、不動産業でコロナの影響を受けたのは220社中162社で、全体の73.6%に達していることが分かった。そのうち、「影響が出たがすでに収束」は9.5%(21社)にとどまり、64.0%(141社)は「影響が継続している」と回答した。
20年2月の第1回調査では、不動産業で「現時点ですでに影響が出ている」と回答したのはわずか15.1%(45社)だった。一方、「影響はない」が48.8%(145社)と半数を占めたほか、全産業と比較しても不動産業界への影響は大きくなかった。
しかし、3月には不動産売買業者から建築資材の入荷遅れによる物件引き渡しへの影響が言われ始め、賃貸業者がテナントの退去や家賃の減額、猶予要請を受けるといった影響が出始めた。そこからさらに1年が経ち、今回の調査で不動産業にもコロナ禍による影響が徐々に波及している実態が明らかとなった。
21年4月の調査で、現時点で影響を受けていないと回答した企業のうち、「今後影響が出る可能性がある」と答えたのは20.4%(45社)に達しており、不動産業においてもコロナ禍による影響への警戒感がうかがえる。
コロナの影響を受けた不動産業のうち、前年同月と比べて減収だった企業は、20年5月の緊急事態宣言下で89.2%(242社中216社)と約9割に達した。翌年の21年3月においても、71.0%(107社中、76社)がコロナ禍以前と比べて減収に追い込まれている。
新型コロナ関連の支援策の利用率は、21年4月時点で56.8%(220社中、125社)に及んだ。昨年は緊急事態宣言解除後に利用率が急激に伸長したことから、今年の緊急事態宣言解除後に利用率が6割を超えることも予想される。
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