ワークマン増収増益 スーツやアウトドア用品が後押し:出店も加速
ワークマンは5月10日、2021年3月期通期の決算を発表した。コロナ禍で作業服需要が減少する中、PB商品の拡充を図り、若年層へのアピールやブランドイメージの向上を進め売り上げを伸ばした。
ワークマンは5月10日、2021年3月期通期の決算を発表した。売上高にあたる営業総収入は前年同期比14.6%増の1058億円、営業利益が同25.0%増の239億円、純利益が同27.5%増の170億円と大幅な増収増益となった。コロナ禍で作業服需要が減少する中、PB(プライベートブランド)商品の拡充や、若年層へのアピールやブランドイメージの向上を図り、売り上げを伸ばした。
新型コロナウイルス感染拡大により外出自粛や雇用所得環境の悪化が続く中、同社は、デザインや機能性、価格帯で訴求力を高めたPB製品を強化。裏返すと作業着にもなる「リバーシブルスーツ」やアウトドアギア、ストレッチやはっ水・防水など機能性を高めた女性向け製品などを拡充。また、ジュニアアイテムの展開なども開始し、客層の拡大を図った。
この結果PB商品は1757アイテムとなり、チェーン全店売上高に占める割合は前年同期比8.3ポイント増となる59.7%。PB商品の売上高は前期比39.4%増の872億円となった。
またイベント自粛に伴い、Webを活用した新製品の情報発信などデジタル化を加速。#ワークマン女子の出店や、若年層への訴求を狙い「東京ガールズコレクション」への参加など新たな取り組みも進めた。
今後の見通しとして「三密」回避の消費行動が強くなり、国内市場でアウトドア需要が高まると予測。新機能・新カテゴリーに挑戦した製品開発を進め、より一層の客層拡大に取り組む。また、ワークマンプラスや#ワークマン女子の展開も加速させ、22年3月末に945店舗体制を構築。中長期の目標として国内1500店舗体制を目指す。
22年3月期の通期予想については、売上高にあたる営業総収入1144億円、営業利益266億円、純利益181億円を見込み、純利益ベースで11期連続の過去最高益達成を目指す。
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