2015年7月27日以前の記事
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「闇バイト」はドロ沼への入り口世間にうとい若者(3/3 ページ)

世間にうとい若者は、「悪党が弱者を食い物にする」構図が社会にまん延していることを知らない。そして経済的に困窮すると、「自分だけは大丈夫」「今回だけだから」と自分に言い聞かせて「危ない橋」を渡ろうとする。そんな自分勝手な思い込みを狙っている連中におびき寄せられては身の破滅だ。

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 具体的には、「闇バイト」に応じてくるアナタに対し、まずは身分証明書を写した画像を提出させる。そして犯罪現場(例えば被害者宅の前など)で自分を写メした画像を送らせる(強盗の案件の場合には、縛られた被害者と一緒に写った画像を送らせるというから恐れ入る)。「アンタが途中で逃げ出さない保証だ」「カネが欲しいんだよな?」と言われると、現金が欲しくて切羽詰まったアナタはついその通りに従ってしまう。

 そして運よくヤバい案件に成功してほっとしているアナタは当然、約束の金をもらえると思っていたのに、実際にはほんの一握りの金額しか渡されない。指示役に文句を言うと、「文句があるなら警察に行けばいいだろ、『振り込め詐欺をやりました』とね」と、けんもほろろだ。黙ってしまうアナタに相手はさらに追い打ちをかける。「もう1件やるんだ。さもないと今回の写真をネットにばらまくぞ、親にもばらすぞ」と。こうしてアナタは何度も犯罪を繰り返さざるを得なくなる。警察に捕まるまで。

 つまりアナタは「今回限りでやめる」こともできないし、「警察に捕まるリスクは小さい」どころか、ほぼ100%なのだ。「その思い込み、2重に間違っている」と指摘した意味を分かってもらえるだろうか。だから言いたい、「破滅したくないなら、止めといたほうがいい」と。

 ではアナタの今の窮状をどうしたらいいだろうか。そう、経済困窮者を支援するNPOに相談するのが一番だ。ではどうやったら適切なNPOに辿り着けるのか。地元の役所に相談して、身元のしっかりしたNPOを紹介してもらって欲しい。万が一にも、検索したときに「裏バイト」と一緒に「うちはNPOです、助けます」などと出しているところ(あるかな?)に相談するのは止めて欲しい。

PS:別記事でも書いたが、今はSNSの普及もあって、ごく普通の暮らしをしていた人がほんのささいなきっかけで簡単に悪の誘いに乗ってしまうことに驚いてしまう。10年ほど前には、普通の人向けには詐欺師からの誘いに注意するように啓蒙するだけでよかったのに、隔世の感がある。 (日沖 博道)

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