連載
「レジ袋有料化」は“天下の悪法”か 次は「プラ製スプーン有料化」で、経済に大打撃:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
レジ袋有料化からもうすぐ1年が経過しようとしている。どういう理屈で「エコ」になるとしているのか? プラ製のスプーンやフォークが有料化されると、経済に深刻なダメージを与える可能性もある。
レジ袋はエコ意識の高い製品
根本的な問題提起として、そもそもレジ袋は余りものを活用したエコ意識の高い製品なので、「誤解されている」といった意見もある。
ポリエチレン製レジ袋を主製品の1つとしてきた清水化学工業(東京都足立区)では、清水充社長が公式Webサイトの代表あいさつで「原油をガソリン、重油等に精製した残りもの・余りものから生成されるポリエチレンは、その観点ではそもそも省資源です」と、綴(つづ)っている。つまり、石油資源を無駄遣いしているのでなく、いわば廃棄物を有効活用した製品なのだ。資源循環的で安価で丈夫。むしろ万人に喜ばれる、今日的に言えば、SDGsで通用する製品ではないだろうか。
一方、同社は「海洋プラスチックごみの問題は、ポリ袋・ポリ包装材がその全体量に占める割合は小さいとはいえ、乗り越えなければならない課題であり、海洋生分解性ポリエチレン袋の開発などの解決策に弊社も真摯(しんし)に取り組みたい」と、さらなる技術開発への決意を表明している。
なお、政府も全てのレジ袋を有料化せよと命じていなくて、バイオマス素材(植物由来原料)を25%以上使用、海洋生分解性樹脂配合率100%、厚さ50ミクロン以上、いずれかの条件を満たしていれば無料で配れる例外規定を設けている。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - パソナの淡路島移転は「島流し」なのか? 移住した副社長が感じた“思った以上のポテンシャル”とは
パソナグループは、東京にある本社機能の一部を淡路島へ移転させている。移住した副社長に環境や社員の働き方がどう変わったのか聞いた。副社長は思った以上のポテンシャルを感じている。 - 新成人が「欲しい車」ランキング 3位はフォルクスワーゲン、2位はBMW、1位は?
ソニー損保が新成人のカーライフ意識調査を実施。普通自動車運転免許の保有率や欲しい車が明らかに。どんな傾向があるのか。 - ダイソーのおしゃれな新型「300円ショップ」オープン 訪れて分かったコンセプトとは
大創産業は「中心価格帯が300円(税別)の新業態「Standard Products by DAISO」を東京・渋谷にオープンする。主力の100円ショップでも、若い女性向けの300円ショップでもない。新しい柱として成長させられるか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.