「レジ袋有料化」は“天下の悪法”か 次は「プラ製スプーン有料化」で、経済に大打撃:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
レジ袋有料化からもうすぐ1年が経過しようとしている。どういう理屈で「エコ」になるとしているのか? プラ製のスプーンやフォークが有料化されると、経済に深刻なダメージを与える可能性もある。
次はプラ製のスプーンやフォークが有料化か
さて、レジ袋有料化の延長線上で、今度は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が3月9日に閣議決定され、国会に提出されている。この「プラスチック新法」によって、お店で無料で配布されている、プラスチック製のスプーン、フォーク、ストローなど、使い捨てのワンウェイプラスチックが有料化される公算が大きい。ホテルで提供される、プラスチック製のくし、歯ブラシ、髭そり用のカミソリなどのアメニティーも有料化されるだろう。
こちらも環境改善効果は微々たるもので、啓蒙第2弾となる。小泉環境大臣は3月9日の記者会見で、「これは初めてプラスチックという素材に着目した法律。あまねくプラスチックに関しては、資源循環、サーキュラーエコノミーが進んでいく」と新法の狙いを述べ、プラスチック資源循環の実現に対する意気込みを見せた。
ちなみに、前出の環境省漂着ごみ調査では、「カトラリー(ストロー、フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー)」はプラスチックごみの0.5%を占めるにすぎなかった。
レジ袋やプラスチック製スプーン、ホテルのアメニティーの有料化も、消費者にすれば痛い負担増だ。地球に良いことをしていると自らを納得させても、それと引き換えに今まで無料だったものが有料になれば、実際は値上げや消費増税と同じ効果を持つ。
レジ袋の辞退が予想以上に急増したのは、数円の少額とはいえ、毎日の出費に響くからだ。「マイ箸」のような「マイスプーン」の持ち歩きが一般化するかは微妙。ホテル業界にとっては、コロナ禍で打撃を受けている上に、さらなる逆風になるだろう。
こうした実効性が希薄なわりには国民生活への影響が大きい、生活必需品を狙い撃ちにした有料化政策が何度も繰り返されると、買物が楽しくなくなる。コロナ禍で収入が減っている人も多く、消費が不活発になって経済が落ち込むことが懸念される。
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