動画サブスク好調 「動画視聴=テレビ視聴」の認識増える:好きなときに見たい
博報堂DYメディアパートナーズ は「メディア定点調査」を実施し、その結果を発表した。メディア総接触時間は過去最高を記録していて……。
定額制動画配信サービスの利用は46.6%と半数に迫り、動画視聴を「テレビ視聴」と捉える生活者は2割超――。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が2006年から毎年1月下旬〜2月上旬にかけて実施する「メディア定点調査」で判明した。
メディア総接触時間は、昨年から39.2分伸びて450.9分(1日当たり/週平均)と過去最高を記録した。同研究所によると、メディア定点調査開始以来、最大の伸びとなったという。
視聴デバイスでは「携帯電話/スマートフォン」(前年比18.0分増)、「タブレット端末」(同9.7分増)、「PC」(同8.4分増)の接触時間が伸びた。これらの合計は全体の55.2%と半数以上を占めた一方、「テレビ」の接触時間は5.8分増加して19年と同程度に戻った。
定額制動画配信サービスも好調で、利用率は昨年から9.7ポイント上昇し46.6%に及んだ。19年から伸びていたが、コロナ禍による巣ごもり需要で、利用率は急速に伸長している。
テレビ受像機のインターネット接続率は昨年から5.3ポイント増え、45.8%と半数に迫る勢いだ。それに伴って、動画をテレビで視聴できるChromecast、Fire TV、Apple TVといったストリーミングデバイスの所有率も、コロナ禍を機に急成長しており、25.5%と1年で9.0ポイント増加している。
ストリーミングデバイスの普及により、「テレビを見る」という概念が拡張しつつある。テレビの利用時間のうち、有料動画(前年比8.4ポイント増)および無料動画(同3.6ポイント増)の視聴が増加し、ともに2割を超えた。動画視聴をテレビ視聴と捉えている生活者が増加していることがうかがえる。
生活者のメディア意識・態度の変化を調査すると、「好きな情報やコンテンツは、好きな時に見たい」が最も変化し、昨年から6.3ポイント増加して6割を超えた。ストリーミングデバイスの普及と定額制動画配信サービスの充実により、テレビで視聴できるコンテンツが飛躍的に増加し、自分の好きなタイミングでメディアに接触する環境が整ったことが要因にあるとみられる。
郵送による調査で、東京都または大阪府に在住する15〜69歳男女962人を対象に実施した。なお、数値はすべて東京地区。
関連記事
- 日本のアニメは海外で大人気なのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのか
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が米国でもヒットしている。このほかにも日本のアニメ・マンガは海外市場で勝負できているのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのか。その背景に、構造的な問題があって……。 - 退職金4000万円上乗せ! パナの「50代狙い撃ちリストラ」は“正解”なのか
パナソニックが「50代社員」を対象に、大規模なリストラに踏み切る――。ダイヤモンド編集部が同社の内部資料を入手して報じたわけだが、“働かないおじさん”をターゲットにしたことは吉と出るのだろうか。長い目で見ると……。 - 外国人にも人気の「缶コーヒー」が、なぜ2017年から低迷しているのか
缶コーヒーの売り上げが低迷している。「カフェが増えたから」「コンビニコーヒーが伸びているから」といった理由を想像したかもしれないが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。どういうことかというと……。 - 飲食店は“大荒れ”なのに、なぜニトリはファミレスに参入したのか
ニトリがファミレス事業に進出した。店名は「ニトリダイニング みんなのグリル」。、「お、ねだん以上。」のメニューが並んでいるわけだが、なぜ飲食店に逆風が吹き荒れているタイミングで出店したのか。背景にあるのは……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.