2人に1人は不眠症? 「世界一眠れない日本のビジネスパーソン」がつくられていく構造的な理由:スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
「眠れない」――。ベッドで横になるものの、なかなか寝ることができないというビジネスパーソンも多いのでは。とある調査によると、日本人の2人に1人は不眠に悩まされているようだが、そもそもなぜ寝ることができないのか。仕事のストレスを抱えていて……。
不眠症とストレスの関係
では、なぜ日本にはここまで不眠症が多いのか。まずやはり大きいのは、日本のビジネスパーソンが世界トップレベルのストレスを感じていることが無関係ではないだろう。
NHKも参加しているISSP国際比較調査「仕事と生活(職業意識)」(Work Orientations IV−ISSP 2015)によれば、「仕事にストレスを感じることがある」という質問に対して、日本の男性は50%があると回答して、参加した31カ国の中でトップ。女性も46%で、スウェーデンやスロベニア、ベネズエラに次いで4位だ。
このような仕事中のストレスが不眠症を引き起こすことは、さまざまな調査によって明らかになっている。例えば、5月24日、東北大災害科学国際研究所の臼倉瞳助教らが、新型コロナウイルスで電話相談にあたる保健所職員のうち約7割に不眠症状がみられたというアンケート結果を公表した。
ご存じのように、コロナ禍になってから保健所の電話相談窓口は、日本で最もストレスフルな職場の一つとなった。「なんで熱が出たのにPCR検査が受けられないんだ!」「国民の命を守らず何をやっているんだ! この税金ドロボーめ!」。そんな罵詈雑言や無理筋のクレームを朝から晩までシャワーのように浴びせせられたら、心がポキンと折れ不安や恐怖から眠れなくなってしまう、というのは何かしらのお仕事をされている方ならば理解できるのではないか。
「月曜日に会社に行くのが憂鬱(ゆううつ)で、日曜の夜はちっとも眠れない」
「明日も上司から厳しく叱責されるのかと心配で結局、朝まで悶々としていた」
関連記事
- 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - トイレ界のスタバを目指す! 東南アジアに広がる「1回33円」の有料トイレ
タイやベトナムなどで、有料の公衆トイレが人気を集めている。運営しているのは、スイスの会社「ミスター・ルー」。1回33円の有料トイレはどんなところなのか。共同創業者の2人に話を聞いた。 - 「ガーガー」音はどうすればいいのか 頭を突っ込む「防音グッズ」が面白い
いびきの「ガーガー」音に悩まされている人も多いのでは。そんな悩みを抱えている人向けに、防止グッズがたくさんある。ちょっと調べたところ、防止ではなく、防音グッズも。どんな商品があるのかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.