キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。
“隠し玉”も用意
富士経済の調査によると、20年のたんぱく質補給食品市場は、1727億円(前年比11.8%増)を見込んでいるという。市場が拡大している背景には、コロナ太りや運動不足解消のために、自宅でトレーニングをする人が増えたことも大きいようで。カラダを鍛えた→良質なたんぱく質を→気軽にゆでたまごを……といった流れがあるようだ。
また、これまで調理や日持ちの面で、ゆでたまごを気軽に食べることはできなかったが、近年はコンビニでゆでたまご関連の商品をよく見かけるようになった。というわけで、「たんぱく質のニーズが高まる+コンビニでの販売=キユーピーの商品も好調」といった公式が成り立っているようだ。
冒頭でご紹介したように、ここ数カ月は倍々ゲームのように伸びていて、5月は大台の10万個に。では、来年のいまごろはどのくらいの数を見込んでいるのだろうか。新規事業部の仲條功二さんに聞いたところ「これから販路を増やしていって、月に50万個は売っていきたいですね」と強気の姿勢がうかがえた。
さらに、畳みかけるように“隠し玉”も用意している。7月に「殻なしゆでたまご」を販売する予定にしていて、この商品の最大の特徴は容器である。どんな容器なのか担当者に聞いたところ、「ミシン目付き4連カップにしている」とのこと。このように言われても、「なんのこっちゃ」と全く想像できない人もいると思うが、4個入りのヨーグルトを思い出していただきたい。
食べるときに、ミシン目付きの部分を「パキッ、パキッ」と切り取って、必要なときに必要なぶんだけ取り出すことができる、アレである。新商品は4個入りの容器の中に、ゆでたまごが1個ずつ入っているのだ。ちなみに、こうした容器の中にゆでたまごが入っていることは珍しく、「『世界初の商品!』と申し上げたいところなのですが、すべてを調べることはできませんでした。ただ、『国内初!』であることは間違いありません」(藤原さん)
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