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“グレー職場”って何だ!?  社員の声から見る“あるある”風土とは?ブラックじゃないけどつらい(2/4 ページ)

働き方改革や法的な残業上限規制、コロナ禍によるリモートワークの導入など労働時間マネジメントが推進されていますが、ブラックと言われるほどひどくなくても、なんらかの問題を抱えている“グレーなもの”は職場単位では数多く存在しているのではないでしょうか。ここでは、ブラックではないけどホワイトになり切れない、グレー職場について迫ります。

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【グレー職場あるある(1)】時間外労働が当たり前に?

 全国で小売業のフランチャイズ展開をしている会社で、店舗指導員として働いている高津さん(仮名)は、長時間労働が強制削減されたと語っていました。

 「新卒入社当時から月100時間程度の残業は当たり前で、年間の休みは正味75日くらいでした。大学の同期から120日以上休みがあると聞いて、軽くショック受けたことを覚えています。ひどいときは、担当する店舗のアルバイトがインフルエンザにかかって、人の手配がつかず代わりに店舗に入ることになり、まさに24時間働きました。それが、電通の過労死事件後は、週休2日体制で残業も月45時間以内に収めることになり、時間的にはかなり楽になりました」

 一般消費者が顧客となる小売りや飲食は、マスコミやネットでやり玉に上がりやすいこともあり、上場企業、有名企業を筆頭に電通事件後の対応が早かったといえます。しかし、中小や個人店では慢性的な人手不足もあり、労働時間の削減は思うように進んでいないという声はよく聞きます。

 「残業を月45時間にコントロールしないといけないのですが、労働時間を減らしても、当初は、その分の仕事量までは減らせませんでした。月の後半は、持ち時間といえる残業45時間を使い果たすと、サービス残業せざるを得ない状況が続いたので、そんなことなら以前のように100時間の残業代をしっかりもらえた方がよかったと思ったものです。ですが今は、これまで『無駄なことでは?』と思っていた上司からの指示が少なくなったので、45時間以内で収まることが多いです」(高津さん)

 まあ、45時間残業も多い方だと思いますが、サービス残業が常態化しているかどうかがブラックとグレーの違いといえそうです。

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強制はされていない、けど残業しちゃうのがグレー職場の特徴(画像はイメージ 出所:ゲッティイメージズ)

【グレー職場あるある(2)】いつの間にか生活が仕事に塗りつぶされる?

 大手フランチャイズビジネスでスーパーバイザーをしていた中西さん(仮名)は、「本部が働き方改革の旗を振ってから、出社日の労働時間は少なくなりましたが、会社から支給されている携帯電話は手放せません。休日でもフランチャイジーのオーナーや店長からの問い合わせが来ることも少なくありませんし、テレビの人気番組で自社商品が取り上げられるかどうかのチェックは、翌週の仕入れ・売り上げに影響が出るので欠かせません。もちろん義務でも上司命令でもないのですが、指導先(店舗)のことを思うと対応してしまいます」といいます。

 休日対応や待機時間などは会社に申請すれば残業として認められるものの、「現実には先輩は残業申請していない」など暗黙のルールが存在しているという話は、会社単位ではコンプライアンス意識の向上もあって改善しています。しかし、職場単位(上司の考え)ではまだまだ存在しているようです。

 さらに、残業代については「大学時代の友人たちからは『多くて(新人でも10数万円以上)いいね』と言われましたが、その反面、自腹を切る機会が結構ありました。休日でも担当するお店の近くにいくと、つい立ち寄って売れ行きチェックをしたりして、まさに生活が仕事に塗りつぶされていきました」(高津さん)

 「お中元やクリスマス、お歳暮の時期になるとキャンペーンで販促活動をします。需要がないと、自分の家族や友人・知人、親戚縁者に頼むことになりますし、それでも目標数字が足りないと自分で買っていました」(中西さん)という、切実な悩みも聞こえてきます。

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