0歳児パパ、「育児関わりたい」97% 一方、半数以上が「育休取得せず」 なぜ?:取得組でも「2週間未満」が最多
「日本で男性の育休取得が進まない」。長年の課題に対し6月3日に政府が法改正を行った。企業には男性が育休を取得を促進するための取り組みが課される。0歳児の父親の育休取得率は調査によると半分未満だった。会社の雰囲気をハードルに感じる人が多いようだ。「とるだけ育休」なども懸念されているが、日本の育休取得の実態や父親が育児のどんな点に課題を感じているか見ていこう。
家族向けイベントの企画運営を手掛けるママカラ(東京都渋谷区)は明治と共同で「0歳児パパの育児意識や育児参加状況」に関する調査を発表した。調査から、半数以上が育児休暇を取得していないことが分かった。6月3日に改正育児・介護休業法が成立し、男性が産休・育休を取得しやすくなる施策が導入されたが、実際の取得に至るには、まだ時間がかかるのかもしれない。
育休取得の有無とその期間について尋ねたところ、育休を取得していたのは40.3%だった。半数以上が育休を取得しておらず、取得組でも「2週間未満」が最多となった。育休を取得しなかった理由(複数回答)としては、「取得しづらい雰囲気がある」(39.2%)が最も多く、次いで、「職場の人員が不足していた」(34.4%)、「所得を下げたくない」(34.4%)が上位を占めた。「会社に制度が整備されていない」という声も多い。
一方、「育児に積極的に関わりたい」「できる限り関わりたい」と回答した父親の合計は97.0%に上っており、多くが育児に対して前向きな姿勢を示している。
育児に関われていない父親に理由(複数回答)尋ねた。「育児に時間を割くと収入が下がるため」(36.6%)、「育児のために休んだり、早く帰りづらい雰囲気がある」(31.7%)、「自分の仕事を他の人に任せることができない」(27.6%)がTOP3となった。育児に関わりたい気持ちがある一方で、給料などの問題から優先度が下がっている現状が見て取れる。
日頃行っている育児については、8割以上の父親が「あやす・遊び相手」「おむつ交換」「お風呂に入れる」を実践していた。特に難しい・難しそうと回答したのが「夜泣き対応」(57.3%)、「寝かしつけ」(47.1%)、「離乳食の準備・支度」(37.5%)と他の項目と大きく差をつけた。手順がマニュアル化されていない、その場での判断や対応が求められることに対する苦手意識が垣間見える。
法改正により2022年から制度の周知や育休取得の意向確認が義務付けられた。育休を希望する社員に対して、制度を単に周知するだけではなく、取得を後押しする姿勢や管理職への周知・教育などが求められる。
また、育児に割く時間が通常時と変わらない「とるだけ育休」にならないような対策も今後必要になってくるだろう。
調査は、6月4〜10日にインターネットで実施。全国の0歳児育児中の 25 〜39 歳の男性590人を対象とした。
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