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ダイソンは日本市場をどう見ているのか 新製品「オムニグライド」のデザインエンジニアに聞いた全方向駆動コードレスクリーナー発売(3/4 ページ)

ダイソン初の全方向駆動コードレスクリーナー「Dyson Omni-glide(オムニグライド)」が発売された。開発する上で、どんな困難があったのか。日本市場で品質部門を統括するジェームズ・シェール氏に、オムニグライド開発の舞台裏と、今後の展開を聞く。

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日本人と外国人の好みの違いとは?

――好みの違いとはどんなところですか?

 好きな例えがあるんですが、ダイソンが販売している製品の中にハンドドライヤーがあります。早く乾燥させる機能と、それによって発生する騒音にはトレードオフの関係にあるのです。海外のユーザーが早く乾燥させることを望む一方、日本人は騒音に非常に敏感でした。結果、乾燥する時間がかかっても騒音を抑えることを重要視することになりました。こうした部分は、日本人独特の感性による部分が大きいと思います。

――それは調査結果やフィードバックから得たのですか?

 もちろん、製品を販売した後、ユーザーからのフィードバックを受けて、次回の製品には改善を施しています。ただ実は、当社には製品を開発する前提がありまして、「(一般的には)顧客中心」という考え方があると思いますが、「日常生活の問題を(エンジニアリングや技術で)解決する」というのがダイソンの基本方針なのです。つまり、何か製品を開発する際、通常は見過ごされがちな日常生活の問題を見いだし、解決することを重視しています。

――日本人の製品に対する要求をクリアした場合、その手法は世界市場に展開する際に応用できますか? それとも日本市場向けのガラパゴス的な技術になってしまうのですか?

 両方ですね。日本に合わせた製品が他国の市場で成功した例もありますし、日本市場向けに設計した製品もあります。ただ、全体的にいえば、清潔さや衛生に対する日本人の要望のレベルが、さらに世界に広がっていくという考えもあると思います。


日本と世界の人々を比較すると、求めているものが全く違うという

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