コロナ禍はフリーランスを直撃 これからの働き方をどうするか:厳しい(3/3 ページ)
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が「フリーランス白書2021」を公表した。 このコロナ禍は、大きな組織に保護されないフリーランサーにとって厳しいものとなった。業種、業態でひとくくりにはできないが、どのような意識をもっているのだろうか。
フリーランスにとってもっとも問題となるのは、仕事の定期的で安定的な確保だ。会社組織のように、専門の営業職がいるわけでもなく、仕事量のバランスをとらなければならない。
また、これはもちろんケースによっても異なるが、大きな組織の中でのバリューチェーンのなかにきちんと入り込むのは本当に難しいことだ。エンドとなるクライアントと直で契約をとることはほとんどなく、通常、間に何社も入る。そうなると自分で仕事をコントロールすることなどまず不可能だ。そして、多くの場合、フリーランスに仕事を発注する背景には、コストカットがある。
当然、フリーランスになるときには、こうした現状の仕組みに毅然と立ち向かう決意を持つ人も多いのだが、多くの人は現状に飲み込まれてしまうのだろう。
よりよい仕事のためには、フリーランスの力を活用するのは、必要なことだ。組織人にはない発想や能力を持つ人も多い。自由回答のなかに、「発注スキルがない」と指摘する人もいたが、これは事実で、企業のフリーランスの活用の仕方については、再考する必要がありそうだ。
この調査では、「働き続けたいと思う年齢」についても聞いている。フリーランスという生き方を選んだのだから、「生涯現役」がもっとも多いと思ったのだが、実態は11.0%しかいなかった。もっとも多いのは、「60代後半(20.3%)」であった。これでは、サラリーマンと同じではないか。
昨今、副業的に個人としての働き方を望む人も多く、実際にやっている人も増加しているという。しかし、それではむしろ、コストカットとしてフリーランスを助長してしまうのではないか。
フリーランスとしての仕事の仕方も問われているのだろう。(猪口 真)
アンケート結果は「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」発表の「フリーランス白書2021」の内容から引用
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