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EV生産比率を5倍に増やすマツダと政府の“パワハラ”池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/5 ページ)

マツダは、30年時点のEVの生産比率を25%と大幅に上方修正した。ではなぜマツダはそれだけEVの比率を大きく再発表したのかといえば、これは政府によるパワハラの疑いが濃厚である。

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マツダの戦略

 さて、今回マツダが発表した内容を俯瞰(ふかん)的に見ると、ベースになっているのはビルディングブロック構造である。内燃機関、モーター、バッテリーの順列組み合わせによって、世界各地のさまざまなニーズに応える製品を作る考え方だ。

 電気のない国に暮らす20%の人には、高効率の内燃機関とマイルドハイブリッドの組み合わせでCO2削減に貢献し、先進国の充電環境を持たない人にはストロングハイブリッドでCO2の削減を目指す。もちろん家庭充電環境が整っている人にはEVを供給する。

 マツダにはそれらを個別に開発するだけの人的、コスト的リソースがないから、先に挙げた3つの要素をコンポーネント的に組み合わせて対応幅を広げようという考え方だ。

 このうち、ハイブリッド(HV)とプラグインハイブリッド(PHV)には、ロータリーエンジンの組み合わせによる新しいシステムが与えられる。のみならず、トヨタの協力によってTHSのストロングハイブリッドも加わる。これはCAFE規制への対策として、欧州向けのMazda2がヤリスのOEMになるという可能性を含むが、もしかすると他の車種でもかつてのアクセラハイブリッドのようなマツダ車にTHSという組み合わせも見られるかもしれない。

 こうした内燃機関については、もう少し長期の展望も発表されている。燃料側のマルチソリューションとして、BIO-FUEL(バイオ燃料)、e-FUEL(水素改質燃料) 、HYDROGEN(水素)が用意される。

 良好な充電環境が全てのユーザーに普及するのが思ったより遅ければ、こうした代替燃料利用のハイブリッドはセカンドプランとして有用に働くだろう。

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