2015年7月27日以前の記事
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今どきそんな評価では社員はどんどん辞めていく! 間違いだらけの人事改革(2/3 ページ)

リモートワークの浸透による働き方の変化に伴い、「社員の適切な評価が困難、納得感が得られない」「生産性を上げるために、ジョブ型評価制度に移行する必要性があった」など、人事評価制度の課題は山積み。新しい評価制度を稼働させた結果、想定外のトラブルにつながったという会社の“失敗談”から、経営層が持つべき「人事評価制度の正解」を探る。

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<失敗2>人事評価のプロじゃないコンサルを入れる

 2つ目のパターンは、大手コンサルティング会社が人事評価制度のコンサルティングを受注するケースです。

 世の中にはさまざまなコンサルティング会社が存在しますが、注意しなければならないのは、「コンサルタントが人事評価制度専門ではない場合が多い」ということです。例えば、通常、戦略立案支援を得意とするコンサルタントが、人事評価制度コンサルティングの依頼がきたときのみ、これに携わるといったケースも散見されます。

 このように、“コンサルティング会社の売り上げに貢献するため”にコンサルティングフィーを支払っても、社員の成長ややりがいにつながる人事評価制度は確立できません。私は、その犠牲となった中小企業から「高いコンサルティング料金と時間が無駄になったばかりか、優秀な人材が去っていった」という多くの声を生で聞いています。

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そのコンサルタント、本当に人事のプロなんですか?(画像はイメージ 出所:ゲッティイメージズ)

<失敗3>“いつもの先生”だから安心、じゃない

 3つ目のパターンは、士業の方々が提供する人事評価制度コンサルティングに頼っている場合です。

 提供元で一番多いのは社会保険労務士ですが、最近では税理士なども人事評価制度コンサルティングを展開しているところが増えています。コンサルティング料金が安価な場合が多いので、こうした方々と一緒に人事評価制度を構築する中小企業も少なくないようです。しかし、「いつも頼りにしていて、国家資格を有した先生方だから、しっかりした仕組みが構築できるだろう」と安易にお願いするのは要注意。

 「経験の浅い方に当たって、人事評価制度の導入や運用時に頻発する不満やトラブルに対処できずに、組織がガタガタになってしまった」「社員のモチベーションを大きく下げることになってしまった」という事例報告をいくつも受けています。

 3つのパターンをご紹介しましたが、いずれかに該当する人事評価制度を導入した会社で、長期にわたって人材の成長や会社の業績に貢献し続けているところを、私は1社も聞いたことがありません。

「社員も組織も豊かになる」という目的を伝えること

 では、どういった人事評価制度を導入すれば成功するのでしょうか。そのためには、次の2つのポイントを押さえておくことが重要です。

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