「懸賞金1億2000万円」音楽系の企業が、数学の未解決問題に なぜ?:84年間未解決「コラッツ予想」
7月7日、数学の未解決問題「コラッツ予想」に懸賞金1億2000万円がかけられた。懸賞金をかけたのは、数学とは異業界の音楽事業を手掛ける会社だ。なぜ数学の未解決問題に膨大な懸賞金をかけるのだろうか?
音楽系ウェブサービスを提供する音圧爆上げくん(東京都渋谷区)は、7月7日、数学の未解決問題「コラッツ予想」に1億2000万円の懸賞金をかけると発表した。同社の福勢晋社長は「数学の発展に寄与する」といい、社会貢献の一環で実施する。
コラッツ予想とは、3n+1問題とも呼ばれる。任意の正の整数に対して、偶数の場合は2で割る、奇数の場合は3倍して1を足す、という操作を繰り返すと、最終的に必ず1になるという数式を指す。
例えば、3からスタートした場合、3→10→5→16→8→4→2→1と7回の操作で回答が1になる。1937年にドイツの数学者ローター・コラッツが提示してから、証明も反証もできず、未解決のままとなっている。
数学の未解決問題に1億2000万円もの懸賞金をかけた同社だが、音楽系ウェブサービス事業を展開しており、数学とはほとんど関係がない。この取り組みを実施した理由について、福勢社長は「コラッツ予想は中学生のときから知っており、予想の真偽に興味がありました。懸賞金をかけることで、証明に取り組む人が増え、真偽にたどり着くスピードが上がればいいなと思っています。また、数学の発展にも寄与できればと考えています」と話す。
過去には、クレイ研究所が、20世紀初頭にフランスの数学者が提示した位相幾何学(いそうきかがく)に関する未解決問題「ポアンカレ予想」に1億円の懸賞金をかけている。100年の時を経て、21世紀初めに証明された。
コラッツ予想の証明判断について、福勢社長は「数学界でコラッツ予想の解決が受け入れられたら、それを起点に審査し、懸賞金を出します」と話す。また、今後も資金が確保でき次第、素数に関する未解決問題「ゴールドバッハ予想」などに懸賞金を出す予定だという。
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