暴落も関係ない? ヘッジファンド的運用を組み込んだSUSTENロボアドの凄さ(3/6 ページ)
SUSTENは、ロボアドバイザーサービスでありながらヘッジファンド的な運用を行うことが特徴だ。運用方法だけでなく、手数料についてもヘッジファンドに似た体系を取っている。
分散、分散、分散
こうしたヘッジファンド的な運用を行うのが、同社が運営する投資信託の1つ、Greenファンドだ。SUSTENは、このほかに株式主体のRedファンド、債券主体のBlueファンドという3つの投資信託を組み合わせて、ユーザーのポートフォリオを構築する。
ヘッジファンド的なGreenファンドといっても、ものすごい収益を狙っているわけではない。設定から6カ月間のリターンは3.34%。同期間に株式主体のRedファンドが13.27%のリターンを上げているのに比べると、小さいように見えるかもしれない。
しかしこれはリスクを敢えて抑えているためだ。「目標リスクをまず定めて、その中でリターンを高める努力をしている。リスクはコントロールできるので株式の3分の2くらいにしている。そして0.65くらいの期待シャープレシオ、つまりリスクが10%くらいだとすると、6.5%くらいのリターンだ」(山口氏)
余計なリスクを抑えて、一攫(いっかく)千金ではなくリターンをコツコツ取っていく。そんな思想だ。
「よほどの余剰資金でもない限り、7〜8%以上のリターンを目指すのはややリスクを取り過ぎだと考えている。歴史的に資本収益率は4〜5%程度。一般の人がそれを大きく上回るリターンを目標とするのはリスクの取り過ぎの可能性がある」(山口氏)
これまでのロボアドの多くは分散投資が重要だと説き、株式の国際分散、債券の国際分散を行ってポートフォリオを作ってきた。そこでは、複数の資産をできるだけ分散して保有することで、リスクが下げられることがうたわれてきた。
互いに値動きが連動しない資産を組み合わせることで、リスクを下げられる。これは数学的な事実だ。であれば、株式市場の影響を受けないGreenファンドを組み込むことで、分散効果をさらに高めることが期待できるわけだ。
関連記事
- マネーフォワード、家計・資産データを使い1200万人に資産運用提案 SUSTENと資本業務提携
個人向け家計簿アプリ「マネーフォワードME」が、個人向け資産運用の領域に乗り出す。6月23日、マネーフォワードは個人向け資産運用サービスを提供するSUSTENと資本業務提携を発表した。1200万人が利用し、口座連携されている資産額は合計15兆円にのぼるマネーフォワードMEのユーザーに向けて、資産運用の機会を提供していく。 - 楽天証券、クレカ積立可能なロボアド「らくらく投資」 6月20日開始
楽天証券は6月20日から、クレジットカードによる積み立てに対応したロボアドバイザーサービス「らくらく投資」の提供を開始する。100円から投資を始められるほか、楽天カードを使ったクレジットカード決済では積立額の1%をポイントで還元する。また、購入や積み立てには楽天ポイントも利用できる。 - ロボアドでアクティブ運用 アルゴリズムで18銘柄を選び出す
伸びるであろう銘柄を見つけて投資するというアクティブ運用の世界にも、新たな動きがでてきた。スマートプラスが提供する、アクティブ運用を行うロボアド「Wealth Wing」だ。 - WealthNavi、初のNISA対応ロボアド「おまかせNISA」
ロボアドバイザーサービス「WealthNavi」を運営するウェルスナビ(東京都渋谷区)は12月8日、2021年初春にNISAに対応したロボアド「おまかせNISA」を提供すると発表した。NISA対応のロボアドは初。 - AIが投資する時代 「FOLIO ROBO PRO」はAIで何を予測するのか
投資におけるAIの活用方法は幅広い。航空写真を使って原油のタンクや駐車場の混み具合をチェックし、需要予測を行うといったものから、SNSやニュースサイトの文章を解析して暴落の前兆を見つけ出すものまでさまざまだ。FOLIOが新しくスタートさせたROBO PROでは、各資産の将来の値上がり率(リターン)の予測にAIを使った。利用したのは、為替予測などで金融機関に幅広く採用されているAlpacaJapanの技術だ。 - AIが投資すべき銘柄を提案「アルパカロボ」が8月にスタート
IFA(独立ファイナンシャルアドバイザー)のFanは5月25日、株式投資にAIを活用した「アルパカロボ」の提供を8月から開始すると発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.