施行まで半年を切った「改正・電子帳簿保存法」、改正のポイントは?:廃止されること、必要になること
令和3年度の税制改正で、電子帳簿保存法が改正された。令和4年(2022年)1月1日の施行まで半年を切るなか、担当者は改正への対応を進めていく必要がある。今回の改正の主なポイントは?
令和3年度(2021年)の税制改正で、電子帳簿保存法が改正された。22年1月1日の施行まで半年を切っていて、財務・経理は改正への対応を急ぐ必要があるだろう。改正のポイントは、主に3つある。
2022年の電子帳簿保存法の改正ポイント
(1)税務署長の事前承認が廃止される
これまでは国税関係帳簿書類の電子保存およびスキャナー保存を開始する3カ月前までに、税務署へ申請し承認を得る必要があったが、これが不要になる。
(2)適正事務処理要件の廃止
これまでは「相互けん制と定期検査」および「再発防止策の規定」が必須条件だったが、改正で廃止される。相互けん制の廃止により、原本とデータを突合する必要がなくなる。また、原本の定期検査は不要になり、すぐに廃棄できるようになる。
(3)電子データで保存
スキャナー保存する際、電子帳簿保存法の要件に適合しない電子データについても保存が必要になった。電子取引の場合は、取引情報を印刷して保存することも認められていたが、認められなくなる。現在、取引情報を印刷して保存している場合には注意が必要。
経費・旅費精算のクラウドサービスを提供している、アルプスシステムインテグレーションの遠藤あさみ氏は「テレワークに伴って、紙の書類では運用しづらい、1つの申請に多数のファイルが添付されており見落としが起こるなどの新たな問題も出てきていますが、電子帳簿保存法の対応を行うことで解決が可能です」と話している(7月開催の「電子化・オンライン化支援EXPO」のセミナーより)。
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