サービスに組み込めるキャンセル保険登場 コロナ禍を原因とするキャンセルも補償対象
Finatextと、あいおいニッセイ同和損害保険が出資するスマートプラス少額短期保険は7月19日、自社のサービスに組み込めるキャンセル保険の提供を開始した。
Finatextと、あいおいニッセイ同和損害保険が出資するスマートプラス少額短期保険は7月19日、自社のサービスに組み込めるキャンセル保険の提供を開始した。
レストランやテーマパーク、出張フォト撮影など、さまざまな事前予約型サービスを提供する事業者は、この保険機能を組み込むことで、利用者にキャンセル保険を提供できるようになる。宿泊療養や自宅療養、検査結果による待機、外出自粛要請による外出取りやめなど、新型コロナウイルスに関連したキャンセル理由も補償対象となる。
「事業者がサービスとキャンセル保険をセットで提供できれば、キャンセル料を懸念してサービス予約に消極的になる人の行動を後押しできる」と両社はコメントしている。
サービスへのキャンセル保険の組み込みは、エンベデッド型とリンク型の2種類を用意した。エンベデッド型では、サービスの予約画面に「キャンセル保険を付ける」といったメニューを用意し、必要な情報はシステム側で連携するため、ユーザー自身による情報入力はほぼ不要となる。また、サービスの予約料金と保険料の支払いを一括で受け付ける。
リンク型は、サービスの予約画面に「キャンセル保険を付ける」というリンクを用意し、保険申し込みの画面に遷移する。画面の世界観はサービス側と似たものとし、必要な情報は自動的に連携するが、保険料の支払いは別途となる。リンク型のほうが、少ないシステム投資でキャンセル保険を提供できるとしている。
Finatextは、顧客基盤をすでに持つ企業がユーザーに簡単に保険商品を提供するシステムの開発を進めてきた。これまでもエポスカードのユーザー向けに、医療保険を組み込み型で提供している。
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