ステーキ、丼、パスタにも“浸食” コロナ禍で「二郎インスパイア系」が勢いを増しているワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
「二郎インスパイア系」「がっつり系」「G系」と称するジャンルがコロナ禍で勢いを伸ばしている。二郎風のステーキ店まで登場し、店舗も増えている。二郎系が大衆化した背景には何があるのか。
人気ラーメン店「ラーメン二郎」をリスペクトし、その味や形態を模した「二郎インスパイア系」「がっつり系」「G系」と称するジャンルが、コロナ禍で勢いを増している。
東京・駒場にある「千里眼」(2009年オープン)や東京・立川の「立川マシマシ」(14年オープン)のようなレベルの高い二郎インスパイア系のラーメン店が独自のアレンジを施して続々と出店。
「東池袋大勝軒」をルーツとするつけ麺「中華そば とみ田」が「雷」、横浜家系で「壱六家」から独立した「町田商店」が「ラーメン豚山」を展開するなど、系統が異なる有名店が二郎インスパイア系の別ブランドを出店するケースも多い。
ラーメン二郎直系の店には、「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的な常連客の間で共有する暗黙のルールが存在し、初心者にはハードルが高い店もある。長い行列を並ぶ人に配慮して、早食いをしなければならないルールを持つ店もあるという。ゆっくり味わって食べていると、店員が食事を打ち切る言葉をかけてきて、退店を促されるそうだ。
これは極端な例としても、二郎インスパイア系は直系に存在する面倒なルールが少なく、自由さが好まれている面がある。
近年はお店の監修で二郎インスパイア系のラーメンを、各コンビニがチルドのレンジ麺として発売している。また、即席麺のメーカーがカップ麺に仕立てて販売している。
二郎インスパイア系の勢いは止まらず、ステーキ、丼、パスタなど他ジャンルにも見られるようになった。うずたかく盛られたシャキシャキのモヤシやクタクタなキャベツなどの野菜、厚切りの肉、パンチのある刻みニンニク、背脂、しょうゆ油ダレといった、二郎風の特徴をほぼ備えた味・盛り付けのメニューが広がっている。既に二郎系はラーメンの領域を超えて、クロスオーバーな料理の分野を形成しつつあるのだ。
今なぜ、二郎インスパイア系の商品やメニューが求められているのだろうか。
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