トヨタ自動車は7月20日、トヨタモビリティ東京が運営するレクサス高輪(東京都港区)で、車検に不正があったと発表した。対象台数は565台で、一部の検査で基準を満たす値へ書き換えたり検査を実施しなかったりした事実が認められたという。
検査項目のうち「ヘッドライトの明るさ」「フロントタイヤの角度」「パーキングブレーキの効き」の3項目で基準を満たす値に書き換えが行われ、「排気ガスの成分」「スピードメーターの精度(誤差)」は検査を実施していなかった。
対象車両のお客には、担当スタッフが直接連絡するとしていて、該当項目の再検査を無償で行うとしている。
不正が発生した一因として両社は「増加する仕事量に対して、エンジニアを中心とした人員や設備の増強が追い付いておらず、慢性的に高負荷な状況が続いていた」と説明。また、「決められた時間内に車検を終わらせることも目的となっていた」といい、車種や車両の状態で必要な時間が異なるものの、予定された時間で仕上げることを最優先してしたことが不正につながったとしている。
同店やトヨタモビリティ東京では、サポート要員などの増強や機器の更新を最優先で進めるほか、十分な休憩スペースを設置するなど働く環境の改善を図る。
また、点検整備と検査に関わる時間を一律にせず、個別の車両の状況に応じて設定。追加作業にかかる時間と費用をお客に正しく伝えるほか、社内教育の徹底やコミュニケーションの強化を図るとしている。
両社は「自動車メーカー、販売店として、お客さまの安全と安心を何よりも優先させるべきであるにも関わらず、それらを損なう結果となりましたことを、重く受け止めております。また、国の認可を受けた指定整備事業者としても、国の検査を代行する責任ある立場にも関わらず、絶対にあってはならないことを犯してしまったことを、重ねておわび申し上げます」とコメントした。
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