連載
急増する「ガシャポンのデパート」 売り上げ目標2倍を達成した“うれしい誤算”とは:仕掛け人を直撃(4/4 ページ)
バンダイナムコアミューズメントが運営するカプセルトイ専門店「ガシャポンのデパート」が増えている。2020年8月に1号店がオープンしてから28店舗まで増えた。どういった点が支持されているのか。
ライト層やファミリー層も取り込む
ところで、池袋はアニメファンが多く集まる地域だ。現在の、いわゆるオタク市場では女性ファンの影響力も大きいが、池袋総本店はそれを意識しているのだろうか。
「最初のうちに想定していたほど、来客や売れるものに偏りはないですね。池袋は平日でも2割ほどがお子さま連れで、ファミリーの割合も高くなっています。お父さん、お母さん、お兄ちゃんと弟、みんなで1個ずつ買って、それをお互いに見せ合うという光景をよく目にします」(佐々木氏)
コアなファンだけではなく、ライト層やファミリー層も取り込めていることにも、コロナ禍の影響が考えられると佐々木氏は話す。
おうち時間が増えたことにより、アニメを見る時間や機会が増えた。これまでアニメを見る機会がなかった人が作品に触れたり、一度アニメを卒業した世代が戻ってきたのではないか、ということだ。
去年であれば『鬼滅の刃』、今年は『呪術廻戦』などがある。子どもだけでなく、年齢層が比較的高い人であっても、認知度が高いコンテンツの存在もある。ガシャポンのデパートにはアニメ関連の商品も多くそろっている。
若い女性を中心にしながら、より幅広い年代を取り込んでいきたいガシャポンのデパートとしては、絶好のタイミングでスタートを切れたとも言えそうだ。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「100円×3個=301円」問題でセブンが公式に謝罪 見習うべきは「イオン方式」か
「税込100円×3個=301円」問題で混乱が起きたセブン。お客が困惑した根本原因は事前告知が不足していたことだ。ただ、イオンが採用する価格表記を採用する道もあったかもしれない。 - 新成人が「欲しい車」ランキング 3位はフォルクスワーゲン、2位はBMW、1位は?
ソニー損保が新成人のカーライフ意識調査を実施。普通自動車運転免許の保有率や欲しい車が明らかに。どんな傾向があるのか。 - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.