増え続ける「ガシャポンのデパート」 仕掛け人が語った「第4次カプセルトイブーム」の実像:仕掛け人を直撃(4/4 ページ)
バンダイナムコアミューズメントが運営するカプセルトイ専門店「ガシャポンのデパート」が急増している。運営の実態はどうなっているのか。「第4次カプセルトイブーム」について担当者に話を聞いた。
約50年の歴史あるガシャポンにさらなる発展を
「ガシャポンのデパート」は大型商業施設で展開しているが周辺店舗にも波及効果があるという。「ガシャポンのデパート」自体にかなりの集客効果があり、訪れた顧客が隣にある遊戯施設で遊ぶケースも多いという。
「例えば、隣でわれわれが展開している別業態を初めて目にする機会にもなるでしょう。好影響を受けるのは私たちだけではありません。
特に大型商業施設では奥まったところまで、人はなかなか足を運びません。例えば、『ガシャポンのデパートの池袋総本店』があるフロアにはレストランが並んでいます。これまでは最初から食事目的の人しか来なかった。ところが『ガシャポンのデパート』ができたことで、そこからレストランに人が流れるようになったそうです」(有川氏)
バンダイナムコアミューズメントの直営店は全国に240店舗ほど。21年7月現在で「ガシャポンのデパート」は28店舗となっているが、今後、直営店を拠点に全国幅広く出店を進めていく予定だ。
「バンダイナムコホールディングスグループ全体としても、新たな楽しみ方とともに『ガシャポンのデパート』が全国に展開してくことは、非常にシナジーが高い。
まだまだ生まれたばかりでブランドとしては確立していないので、主要都市から広めていき、私の街には『ガシャポンのデパート』があると自慢していただけるような存在を目指します」(佐々木氏)
ガシャポンは来年、誕生45周年を迎える。「キン消し」「コップのフチ子」など、何度かのブームを経て、親・子・孫と3世代にわたるほどの歴史を積み上げてきた。
「ゲームセンターでクレーンゲームをやったことがない、目にしたことがないという人はまだまだいますが、まったくガシャポンに触れてこなかったという人は、あまり聞いたことがありません。
空いている大きな売り場をどう埋めるかというところからスタートした『ガシャポンのデパート』ですが、幅広い層に受け入れられてきたガシャポンの底力を再認識させられたと同時に、だからこそ、まだまだポテンシャルを感じています。
ここから先も世代を越えて楽しめる商品として、さらにガシャポンの魅力を高めていきたいですね」(佐々木氏)
著者プロフィール
唐仁原 俊博(とうじんばら・としひろ)
ビジネス系フリーライターの活動と並行し、総務省「地域おこし協力隊」制度を利用して、人口5300の岩手県西和賀町役場に勤務。さらに休耕地活用のためヤギの飼育を開始。ライター、地域おこし協力隊、ヤギ飼いの三足のわらじに加え、日本初「ヤギがいるコワーキングスペース運営」という四足目を準備中。
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