連載
「日本企業も攻撃します」 地下サイトにあるハッカーサービスの実態:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
世界的に、スケールの大きいサイバー攻撃が増えている。コロナのワクチン接種率が高まれば、経済活動の再開が始まるだろう。だが、しかしである。そのタイミングを狙った攻撃も予想されていて……。
ハッカーが増える可能性
今回、紹介した事例は、基本的に英語圏でのものであり、日本人相手や日本語の環境ではこうしたサービスが機能しない場合もあるだろう。ただ多くのサイバー攻撃に関して、言葉は関係ないので、日本人にも脅威になる可能性がある。
こうした犯罪行為を提供しているハッカーたちは、きちんと教育を受けてIT能力が高いにもかかわらず、住んでいる国の経済状況が悪くて仕事がない、といったケースも少なくない。
以前、国内外のサイバーセキュリティ専門家たちと雑談をしていた際に、アフリカでもコンピュータのプログラミング技術などがあるのに、仕事がないためにクレジットカードや銀行口座などの個人情報を盗んで、それらを販売する人がいると聞いたことがある。今後も、高度なITスキルを持つ人が世界中で増えるにもかかわらず、経済成長が追いつかないために仕事にあぶれ、犯罪の道を選ぶ人が増えるかもしれないといった話にもなった。
つまり、サイバー犯罪に手を染めるハッカーたちが今後増えていく可能性がある。
とにかく、このような実態があることは覚えておいたほうがいい。こうした怪しいサイトには、決してアクセスしないほうが賢明だ。だまされたり、アクセスすることでマルウェアに感染することだって考えらえる。
関連記事
- 東京五輪は「無事に」終わるのか セキュリティ担当者の懸念と不安
東京オリンピックがいよいよ始まろうとしている。本番を迎えるにあたってゴタゴタが続いたわけだが、これで本当に「終わり」なのか。筆者の山田氏はセキュリティに不安を感じていて……。 - タイム誌初の「世界の企業100選」 日本企業は入ったのか?
米国のタイム誌がビジネスパーソン必見の特集を組んでいた。特集名は「世界でもっとも影響力のある100社」。どんな企業が選ばれていたのか、日本の企業は……? - 日本が誇る「トイレ」は人類を救う、本当か
海外に行くと「日本のトイレは清潔だなあ」と感じる人も多いかもしれないが、今後もトイレはどんどん「進化」しそうである。どんな製品が登場しそうかというと……。 - 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。 - ルネサス火災の真相は? セキュリティ関係者が疑っている「こと」
半導体大手「ルネサスエレクトロニクス」の那珂工場で火災が発生した。火災の原因はまだ明確になっていないが、セキュリティ関係者の間で疑っていることがある。それは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.