「焼きペヤングメーカー」開発秘話 クラウドファンディングで“個性”が大ヒット:家電メーカー進化論(2/7 ページ)
「ギガたこ焼き器」や「せんべろメーカー」、「焼きペヤングメーカー」など、ひときわ個性的な家電を展開するライソン。「ライソン発の、世界初をつくる。」と掲げ、ワイヤレススピーカーやアウトドア用品まで展開する。新興メーカーの戦略と、アイデアあふれるものづくりについて代表取締役の山俊介氏に話を聞いた。
前身はゲームセンター向けおもちゃを扱う商社
さまざまな家電を釣り扱うライソンはもともと、日本全国のゲームセンターに景品用のおもちゃを卸すピーナッツ・クラブの一つの部署として、家電を取り扱い始めたのが始まりだ。
「ピーナッツ・クラブは、1958年に今の会長のお父様が吉名工作所を創業したのが始まりで、松下電器産業(現、パナソニック)との取り引きで主にスピーカーの部品などを作っていたそうです。ただ、90年代に入ってそれら部品の生産が徐々に中国へ移っていく中、先代がディスカウントストアを始めたのが、玩具やファンシー小物を扱うようになったきっかけです。その後、UFOキャッチャーなどのクレーンゲーム機が登場したことでゲームセンター業界が急成長したことから、業態はアミューズメント向けの卸売業に変化していきました」(山氏)
おもちゃやぬいぐるみ、ファンシー雑貨などを仕入れ、ゲームセンターへ卸していくようになった。一部の商品を中国市場で仕入れることもあり、その流れの中で、ピーナッツ・クラブも家電を扱うようになっていった。
初期に取り扱った家電の中で、現在も販売が続くロングセラーとなっているのが、家庭でもで簡単にわたあめが作れる製品だ。これは元々、米国市場向けに製造されていたものを、日本向けに電源周りやパッケージなどをローカライズして販売していった。
「わたあめメーカーは4種類ぐらいありまして、実は一番売り上げを引っ張ってきた製品です。『あんなの売れるのですか?』ってよく聞かれますけどね(笑)」(山氏)
関連記事
- 急成長のサンコーが、「オモシロ家電」を追求する意味とは
「サンコー」といえば、ユニークで一風変わった「おもしろ家電」で知られるメーカーだ。面白さと同時に、コスパの良さと便利さも備え、人気を博している。この「おもしろ家電」を開発できた秘密とは一体何なのか。サンコーの山光博康CEOに話を聞いた。 - パナソニックの“スピード開発”を後押し、Shiftall 岩佐CEOに聞く(後編)
岩佐琢磨氏は、新卒入社したパナソニックを2008年に退社し、Cerevoを起業。その後設立したShiftallは、全株式をパナソニックへ売却し100%子会社となる。後編では、現在パナソニックで担っている役割、家電メーカーが生き残るために必要な取り組みなどについて、Shiftall 岩佐CEOに話を聞いた。 - パナソニック“次の100年”のキーパーソン、Shiftall 岩佐CEOに聞く(前編)
パナソニックを2008年に退社して、Cerevoを起業した岩佐琢磨氏。しかし18年設立の子会社Shiftallは、全株式をパナソニックへ売却し100%子会社となった。パナソニック内部へ戻った目的、現在の役割に加え、家電メーカーが生き残っていくために必要な取り組みなどについて、前後編にてお届けする。 - 快進撃を続けるアイリスオーヤマ、家電開発部長に聞く「なるほど家電」の作り方
アイリスオーヤマの家電といえば、シンプルな機能とリーズナブルな価格帯に加え、他メーカーにない便利機能を搭載した「なるほど家電」が特徴だ。この「なるほど」機能の発想はどこから出てくるのか。アイリスオーヤマの家電開発部をまとめる執行役員 家電開発部部長 原英克氏に話を聞いた。 - 「100億円プレーヤーはもう飽きた」変わり続けるバルミューダの野望
2020年12月16日には東証マザーズに上場したバルミューダ。前回はクリーナーを軸に、製品の開発工程や同社ならではのスピード感、デザインへのこだわりについて紹介した。今回は、同社が上場を目指した目的、上場後の未来と野望について、代表取締役社長の寺尾玄氏に語っていただいた。 - なぜ次々と新ジャンル? バルミューダが社長一本槍から脱却目指すワケ
家電メーカーが絶え間なく進化を続ける秘訣を紹介する「家電メーカー進化論」。初回は、20年12月に東証マザーズへ上場を果たしたバルミューダだ。新型クリーナーの開発工程から見るスピード感とこだわり、株式上場の目的と今後について、代表取締役社長の寺尾玄氏にうかがった話を全2回でお送りする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.