海外メディアは日本の「コンビニ」をベタ褒めしているが、外国での普及が難しいワケ:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
東京オリンピックが開催され、選手たちの間で、日本のコンビニや自販機などが話題になっている。海外メディアがベタ褒めして、「五輪レガシー」になりそうなモノはなにか。
世界よ、これが日本の「おもてなし」だ――。
なんて感じで、誇らしげな気持ちになっている方もいらっしゃるのではないか。選手村に滞在する海外のアスリートや、五輪を取材する海外メディアが「日本の高品質・高サービス」を称賛しているニュースが後を絶たないからだ。例えば、以下はそのほんの一例である。
「セブンなしでは何もできない」 五輪で来日のカナダ人記者、セブン-イレブンの虜になる(J-CASTニュース 7月26日)
五輪会場で日本製パンが海外記者に好評「本当にウマいぞ」 お手軽さで取材のお供に(THE ANSWER 7月27日)
来日した五輪記者が「選択肢の多さにパニック」 日本人は“自販機”に恵まれすぎている(クーリエ・ジャポン 7月30日)
日本のお菓子に豪州代表が歓喜 たけのこの里などパクリに「気に入ったみたいで何より」(ENCOUNT 7月27日)
見出しからも分かるように、日本のコンビニの豊富な品ぞろえや、パンやお菓子のクオリティーの高さ、自販機の種類の多さに多くの外国人が驚き、感激し、「日本愛」を爆発させているというのだ。開催前はネガティブな話ばかりだった五輪に、ようやく日本人が期待していたような明るいニュースが増えてきたことを喜んでいる方も多いだろう。
また、その中にはこのようなムードを「ビジネスチャンス」として捉えている方もかなりいるのではないか。ご存じのように、日本政府、東京都、大会組織委員会は五輪を単なるスポーツ大会ではなく、「日本の技術や文化を世界にアピールするチャンス」と位置付けてきた。
つまり、世界中から訪れるアスリート、メディア関係者を介して日本の文化、高品質なサービスや製品を世界に広めることで、それを五輪後の日本の成長の原動力にしていく。つまり、「五輪レガシー」にしようと考えていたのだ。
関連記事
- なぜ若者はワクチン接種に消極的なのか 本当の理由と背景
やがて順番が回ってくるワクチン接種に消極的な若者が少なくない。アンケートではその理由はさまざまだが、「絶対接種したくない」という人はむしろ少数で、あいまいなものが少なくない。その本当の理由と背景をみてみると……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - こんなに頑張っているのに、なぜ日本だけGDPが回復しないのか
日本経済の復活がうかがえるような、データがなかなか出てこない。先進国と比べて、GDP増加率は低く、賃金も低い。多くのビジネスパーソンは懸命に働いているのに、なぜパッとしないのか。筆者の窪田氏は「日本社会のシステムがブラック企業化しているから」と見ていて……。 - 「安いニッポン」の本当の恐ろしさとは何か 「貧しくなること」ではない
新聞やテレビなどで「安いニッポン」に関するニュースが増えてきた。「このままでは日本は貧しくなる」といった指摘があるが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしていて……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.