「オレが若いころは」「マネジメント=管理」と思っている上司が、ダメダメな理由:水曜インタビュー劇場(澤円公演)(5/5 ページ)
「オレが若いころは……」「マネジメントとは管理することだ」といったことを言う上司がいるが、こうした人たちは本当にマネジメントができているのだろうか。日本マイクロソフトで業務執行役員を務めた澤円氏は「そうしたマネージャーは、その職を降りたほうがいい」という。なぜかというと……。
結果を出すビジネスパーソンの特徴
澤: Whyで聞けば、答えを速く引き出せて、相手を説得できると思っているからではないでしょうか。でも、受け取った側からすれば、そのようには思っていない。説明しても、「言い訳をするな」と言われてしまうと、その後どういったことが起きるのか。失敗したことを隠し始めるんですよね。
そうなると、組織はどんどん悪い方向に流れてしまう。メンバーの心理的安全性が担保されていない状況になると、会社をダメにしてしまう。繰り返しになりますが、経営者はこうしたマネージャーが存在していることを知れば、すぐにその人を外したほうがいいですね。
土肥: 「相談」は基本的に未来の話になるので、話をしていても楽しいですよね。楽しい話になれば、その人のモチベーションが上がるはず。
澤: 結果を出せるビジネスパーソンに、共通していることがあるんですよね。それは「未来志向」を持っていること。報連相の相談は「ゼロをイチにする」ことになるので、未来をよくするために時間を使うことは必要なのではないでしょうか。
このような話をすると、「過去に学ぶことは一つもないのか?」といった指摘がありますが、過去から学ぶことはたくさんあります。しかし、過去の出来事そのものが変わることはありません。過去に起きたことにたくさんの時間を使うのは、とてもムダだと思っているのです。
ですので、「報告・連絡」のための会議には出ないと決め、時間は未来のためだけに使う――。こうしたマインドセットが必要になってくるのではないでしょうか。
(終わり)
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