「オレが若いころは」「マネジメント=管理」と思っている上司が、ダメダメな理由:水曜インタビュー劇場(澤円公演)(4/5 ページ)
「オレが若いころは……」「マネジメントとは管理することだ」といったことを言う上司がいるが、こうした人たちは本当にマネジメントができているのだろうか。日本マイクロソフトで業務執行役員を務めた澤円氏は「そうしたマネージャーは、その職を降りたほうがいい」という。なぜかというと……。
Whyではなく、WhatとHowで聞く
土肥: 「報連相」の報告と連絡は非効率なので、自動化したほうがいいということですが、相談はいかがでしょうか?
澤: 「相談」は未来の話になりますよね。この部分は対面で話をする価値があると思っていて、未来のことを最大化するために働くことが重要なのではないでしょうか。
メンバーが全力疾走していて、ある人が転んだとき、最悪のマネージャーはこのようなことを聞くんですよね。「なぜ、転んだの?」と。でも、転んだことは仕方がないですよね。石があったかもしれないですし、道が凸凹していたかもしれません。でも、転んだ人が何かを言ったら、最悪のマネージャーは「言い訳をするな」と説教するんですよね。
土肥: 石があることを予見して、そこは飛び越えろ! なんて無理ですよね。エスパーではないので(笑)
澤: メンバーの誰かが転んだとき、マネージャーは何を言わなければいけないのか。「なにがあったのか?」と。Whyで聞くのではなく、WhatとHowで聞かなければいけません。そうすると、転んだ人も「石につまづいてしまって」と説明ができるんですよね。これに対して、マネージャーは「ごめんなさい。石があることに気づきませんでした」と言わなければいけません。先ほど申し上げたように、マネージャーの仕事はメンバーが全力疾走できるように、その道を先回りして、片づけておくことなので。
マネージャーの仕事は「How can I help you? “どうやったらあなたを助けることができますか”」といったことを口に出して、実際に行動できることが大切だと思っています。
土肥: ふむふむ。そのようなことを指摘されると、「よし、オレもワタシも今日から“How can I help you?”の精神でマネジメントしていくぞ〜」と思っていても、いつの間にか「Why can't you “なぜできないのか” Why,Why,Why?」と問い詰めてしまう人もいると思うんですよね。それはなぜですかね?
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