2015年7月27日以前の記事
検索
連載

テンセント、株価急落に続き「未成年者保護法違反」で提訴。毒物ゲーム「王者栄耀」が標的に浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/5 ページ)

テンセントの株価が8月3日、一時10%下落した。中国政府系メディア・経済観察報による、同社の大ヒットオンラインゲームを名指しした批判記事が原因だ。同ゲームはこれまでも国営メディアに毒物扱いされてきたが、株価を直撃したのは今回が初。投資家は当面、国営メディアの論説に振り回されるのかもしれない。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

批判繰り返されながらも軟着陸

 そもそも王者栄耀は15年11月のリリース以来、何度となく国営メディアの標的にされてきた。

 17年7月には人民日報が「王者栄耀が子どもの人生を壊している」との批判記事を掲載。小学生がゲームのヒーローの真似をして、高い所から飛び降りて重傷を負ったり、有料アイテムを買うために親のお金を盗むといった事件も発生していると糾弾した。

 テンセントは批判を受けて、未成年のプレイ時間を制限。親のスマートフォンやIDで遊ぶという抜け道を防ぐため、18年秋には顔認証を導入した。その後も子どもがゲームをやりすぎないためのさまざまな措置を講じ、当局に目をつけられながらも、大事には至っていない。

 テンセントの20年10-12月のオンラインゲームによる収入は391億元(約6700億円)だが、16歳以下のユーザーからの売り上げの割合は3.2%にとどまっており、未成年ユーザーの利用を制限しても業績への直接的な影響は少ないようだ。


スマートフォンは、中国でもオンラインゲームの重要なプラットフォームのひとつ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る