小判、ギョーザ、からあげクン オリンピック効果に沸いた“注目”商品とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/7 ページ)
東京オリンピックが終わった。オリンピックに関する商戦や経済効果はどうだったのか? 選手村で絶賛されたギョーザや、コンビニだけではない“注目”商品とは。
東京オリンピックが終わった。感染拡大の要因になったとする説もあって賛否両論だが、大きな混乱もなく全日程を完走できたという点では、成功したのではないだろうか。
野村総合研究所の試算によれば、東京オリンピック・パラリンピックの経済効果は、無観客のケースで約1兆6600億円になり、決して小さくはない。そこで、オリンピックに関する商戦や経済効果についてまとめてみたい。選手村でギョーザが大評判になったり、海外記者の間でコンビニが絶賛されたり、日本選手の活躍でオリンピック応援グッズが売れたり、テレビ観戦する人がデリバリーで料理を注文したりと、さまざまな動きがあった。
驚くべき視聴率の高さ
何より驚いたのは、テレビ視聴率の高さだ。ビデオリサーチの調べによれば、関東地区の平均視聴率は、開会式(NHK総合)56.4%、閉会式(同)46.7%、野球男子決勝・日本×米国(同)37.0%、陸上・男子マラソン(同)31.4%、サッカー男子準決勝・日本×スペイン(日本テレビ)30.8%の順。
その他、卓球、体操、柔道、ゴルフ、ソフトボールも視聴率は20%超となった。テレビ朝日は卓球や柔道、フジテレビも卓球で20%を超え、TBSも野球で19.9%まで行った。終わってみればNHKをはじめとするテレビ局が大優勝した。
東京オリンピックの開閉会式は、2020年の紅白歌合戦2部(NHK総合)40.3%、過去10年で最も視聴率が高いドラマであった13年の「半沢直樹」最終回(TBS)42.2%より高い。近年、話題になった、19年のドラマ「あなたの番です−反撃編−」最終回(日本テレビ)で19.4%だ。まさに、東京オリンピックは国民をテレビにくぎ付けにした、過去10年で最強のコンテンツであった。
開催後の世論調査では、東京オリンピックを「開催してよかった」が読売新聞で64%、TBS系JNNで61%などとなっている。「開催してほしくなかった」は、声が大きい少数派だった。
ここまで国民の関心が高まった要因には、もちろん日本選手団の活躍がある。金メダルが過去最多の27個、メダル総数も過去最多の58個だった。
ほとんどの競技が無観客となり、パブリックビューイングも大半が取りやめ、東京のような緊急事態の地域ではお店でお酒は出ないし午後8時で閉まる。となれば、人々は自宅のテレビでオリンピックを観戦するしかない。視聴率が最大化する絶好の条件が整った。
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